衝撃の中国映画『盲山』が暴く、農村女性の「教育を受けられない」現実 《都市と地方で教育格差が広がる》 一人っ子政策の残影も…
22年に江蘇省で首を鎖でつながれた女性が発見された事件を覚えているという日本人もいるだろう。この事件は都市部に住む中国人にも大きな衝撃を与え、政府の「脱貧困」宣言と実際はかなりかけ離れているのではないか、と指摘する声もあった。
都市部では女性の高学歴化は進んでいるが、農村では女性は学びたくても学べないという現実がまだある。今年1月に発表された「中国婦女発展綱要(2021-2030年)」によると、高校に在校する女性は全国で2141万人を超え、全体の46.6%とほぼ半数だ。
しかし、これは全国平均であり農村のみの統計はない。また、女性のみではないが、2010年代初頭の米スタンフォード大学の調査では、都市部の高校進学率は93%、農村部では37%だという結果が出た。
日本も抱える「地方の壁」
日本の文部科学省「学校基本調査」によると、大学進学率は男性が60.7%であるのに対し、女性は54.5%と6ポイント以上低い。規模や社会制度が違うため、中国と日本を単純に比較することはできないが、日本でも男性のほうが高学歴な傾向にある。
首都圏以外で暮らす女子高校生の進学支援を行う「♯YourChoiceProject」が23年に全国の高校生を対象にした意識調査によると、「地方に住む女性は難関大学を目指さない傾向がある」ことがわかった。
地方出身の女性は自己評価が低い傾向があり、保護者からの圧力などもあるという。男性の兄弟がいる場合、男性は東京など首都圏にある大学進学を優先させてもらえるが、女性は地元の大学でよい、あるいは大学に進学しなくてもよいというケースもいまだにある。
それは中国でも同様だが、中国の地方の場合は日本よりも深刻だ。


















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