再生可能エネルギーの買い取り価格案公表、太陽光は1キロワット時42円に、電気代は標準家庭で月100円弱アップへ
太陽光や風力発電など、再生可能エネルギーの買い取り価格を検討している経済産業省の「調達価格等算定委員会」の第6回会合が25日開かれ、委員会終了後に植田和弘委員長による案が公表された。
注目の買い取り価格は、太陽光が1キロワット時当たり税込み価格で42円(出力10キロワット以上)。買い取り期間は20年とする案が示された。同様に、風力は23.1円(税込み、出力20キロワット以上)、同20年。地熱は27.3円(税込み、出力1.5万キロワット以上)、15年。中小水力は25.2円(税込み、出力1000~3万キロワット)、20年。バイオマスは40.95円(税込み、下水汚泥のガス化)、20年などという案が示された。
委員会終了後、植田委員長は「これまでの議論を踏まえ、それぞれの費用を見たうえで、事業リスクを勘案して利益率を見積もり、(買い取り価格を)差別化した。地熱の場合は事業リスクが大きく、利益率は他の電源より高い設定になっている。基本的な考え方についてはかなり議論を深めて、(委員の間で)共通の理解ということになってきていると思う」と述べた。
27日に再度、委員会を開き、電気料金の値上げ幅や固定価格買取り制度の導入による将来の再生可能エネルギーの導入量なども示される予定だ。
固定価格買い取り制度(FIT)は、電気料金を一定程度値上げし、電気利用者の負担で再生可能エネルギーの普及を促そうという制度で、今年7月からスタートすることになっている。買い取り価格は調達価格等算定委員会の意見を踏まえ、パブリックコメントなどの手続きを経て、最終的に経済産業大臣が決定する。普及状況や実際に事業が行われた場合のデータなどを参考に、買い取り価格は毎年見直される。
現在、再生可能エネルギーの導入実績は2010年時点で、太陽光が0.3%、風力が0.4%、地熱は0.2%程度に過ぎない(発電電力量ベース)。FIT導入によってこれらの割合が相応に増えるとみられる。
FIT導入増にともなって、7月以降に電気料金がいくら上昇するかが問題となるが、「予測の域を超えない。いくつか試算してもらう方向で検討している」(植田委員長)という。導入量次第という側面もあるものの、標準的な家庭(1カ月あたり電気料金7000円)で「100円にいかない程度の値上げ」(資源エネルギー庁幹部)という声も出ている。
Photo:Sakaori (talk) CC BY-SA
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