アサヒ、15工場で一部生産再開、システム一部遮断状態が続く中で供給体制の維持を優先、手作業で受注を管理

アサヒグループホールディングスは、サイバー攻撃によるシステム障害の影響で停止していた国内15工場で、2日から順次一部生産を再開した。広報担当者が6日、明らかにした。システムの一部を遮断した状態が続く中で、供給体制の維持を優先し、部分的に手作業で受注を進め、順次出荷しているという。
広報担当者によると、傘下のアサヒビールの全6工場、アサヒ飲料の7工場のうち2工場、アサヒグループ食品の全7工場で一部生産を再開した。アサヒ飲料の残り5工場についても、今後状況に応じて順次再開するとしている。6日時点では主力の「スーパードライ」の缶や樽など6品種の出荷を再開した。15日からは再出荷の対象を「アサヒ生ビール」など16品種に広げる。
9月29日にランサムウエアによる攻撃を受けたアサヒGHDは、被害を最小限にとどめるため緊急遮断措置を講じ、受注・出荷業務や外部との電子メール受信を停止。出荷停止を受け、国内30工場の多くで生産も一時停止した。また、調査の結果、情報漏えいの可能性を示す痕跡が確認された。
一部で操業を再開したことで、飲料や食品の供給網に与える影響が限定的になる可能性がある。ただ、3日時点では受注・出荷システムの復旧時期は依然不透明で、業績への影響も精査中としている。また、情報漏えいの可能性については内容と範囲の特定に向けた調査を継続している。
他の大手飲料メーカーにも影響が及んでいる。キリンホールディングスの広報担当者によると、9日出荷分から飲食店向けのビールなどで一部出荷を制限する。サッポロホールディングスは3日納入分から、ビールやサワーなどで同様の制限を開始。サントリーホールディングスも一部で出荷調整を実施している。
著者:長谷部結衣
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