つい「ムダなまとめ買い」をしがちな人が知らない、【コストコの巨大カート】に仕組まれた"巧妙な罠"

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買った原材料が使われずに、在庫として倉庫に眠っている状態は、支払ったお金がコストとして、ただ積み重なっているのと同じです。

そのため、企業の財務担当は倉庫にある原材料の在庫量を常にチェックし、それらが使われて生産が進み、販売されて利益となるまでの見通しをしっかり立てるようにします。

また、関連部署が連携して、在庫を適正な量に保つことも重要です。まだ在庫が十分に残っているのに次々購入するというのは、保管する倉庫代が余計にかかったりして利益を圧迫します。

原材料の在庫が適正かどうかは、企業が効率よく利益を上げられる「必要なものを、必要なタイミングで、必要な量だけ買えているか」という状態にあるかどうかを示すバロメーターなのです。

買い物は「単にお金を払って終わり」ではない

一般の家庭でも、買ったものが使われずに残っている状態は、企業の不良在庫と同じです。

100円のコーヒーが1000円で売れる理由、説明できますか?
『100円のコーヒーが1000円で売れる理由、説明できますか?』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

企業の購買管理から学べることは、買い物は「単にお金を払って終わり」ではなく、その後の使い道や管理までしっかり考える必要がある、ということです。これを怠ると、結果的に「無駄な買い物」になってしまうのです。

価格が安いと、ついたくさん買いたくなるものです。これを避けるための最大の注意点は、「損失回避」の心理が働いて「買わないと損」と感じる心理に注意することです。

次に、買う物やタイミング、保管場所、購入後の使用などについて、十分に考えて判断しましょう。これらをきちんとできるなら、安く買えるのはもちろんいいことです。どうせ同じ商品を何度も買うなら、まとめ買いすればいいのです。

その際は、賞味期限や、使用するまでのタイムラグを読む精度を上げることです。そうすれば、まとめ買いは「いい買い物」になるでしょう。

橋本 之克 マーケティング&ブランディングディレクター

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はしもと ゆきかつ / Yukikatsu Hashimoto

1964年神奈川県生まれ。東京工業大学社会工学科卒業後、読売広告社、日本総合研究所を経て、1998年アサツー ディ・ケイ入社。環境エネルギー、金融、住宅、消費財のマーケティングや広告の戦略を策定。著書に『9割の人間は行動経済学のカモである』(経済界)などがある。寄稿・セミナー講師も多数。宅地建物取引主任者。
 

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