つい「ムダなまとめ買い」をしがちな人が知らない、【コストコの巨大カート】に仕組まれた"巧妙な罠"
すると、不満が満足を大きく上回って2倍以上になっています。同じだけの得と損ならば、不満のほうが大きくなることが、研究によって明らかにされているのです。このように人は、目前の損失を回避しようとするものなのです。
この心理が働くと、低価格商品を必要以上に、大量に買いすぎる危険があります。目の前にある「安く買えるチャンス」を逃すことを、人の脳は「損失」ととらえるからです。
まとめ買いしすぎると、いろいろな問題が起きます。まず、ためこんだ商品は徐々に古くなっていきます。消費されて一瞬でなくなるわけではないので、保管する場所が必要になります。
そのスペースは、必ずしも無料ではありません。家賃や地代という形で支払っていることでしょう。とくに、地価の高い都心に住む人にとって、居住スペースを占有されることは、本来自由に使える空間のムダづかいです。
賞味期限がある食品の場合は、期限を逃したり、腐らせたりする可能性もあります。洋服などの場合、しまい込んで着るべきシーズンを逃すこともあるでしょう。流行が変わってしまったり、虫に食われるなどによって、着られなくなることもあり得ます。
企業のまとめ買いに学ぶ「ムダを防ぐ知恵」
では、買いすぎ問題を避けるためには、どうすればいいのでしょう。
大量のモノを安く買う「買い物のプロ」といえば、企業の仕入れ担当です。生産に必要な原材料を安く購入することでコストを削減し、利益を増やすことを目指しています。そこには、買いすぎの失敗を防ぐ知恵があるはずです。アマチュアである一般消費者も、知っておくべきノウハウです。
企業がまとめ買いで狙うのは、「ボリュームディスカウント」です。これは、たくさん購入すれば単価が下がり、原価コストを抑えられるという仕組みです。とくに原材料の調達では欠品を避けるために、個人よりも多めに、そして早めに発注する傾向があります。
しかし、企業にとっても、買いすぎはリスクになります。なぜなら、「在庫」=「コスト」でしかないからです。単に「原材料を安く買えたからOK」とはなりません。
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