つい「ムダなまとめ買い」をしがちな人が知らない、【コストコの巨大カート】に仕組まれた"巧妙な罠"

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さらに、人々が買いたくなるさまざまな仕組みをコストコは備えています。たとえば、カートの大きさです。

来店客は、国内の他店では見ることのできない巨大なカートを使って買い物をします。店内の通路が広いため、大型カートを操る余裕があります。大きなパッケージの商品が多いので、確かに大きいほうが便利です。カートの大きさには、それなりの理由があるわけです。

しかし、このカートで少しずつ買い物をしても、なかなかスペースが埋まりません。徐々に、カート内のスペースを余らせていることが不自然に見えてきます。どうにかして埋めなければいけない気がしてくるのです。

その結果、商品をたくさん買いこんでしまいます。

なぜ「まとめて買う」と安くなるのか

一方、店内では何を買うべきか迷わないよう、品ぞろえも考えられています。

ビールのように好みが分かれる嗜好品は、さまざまなブランドがそろっていますが、赤ちゃん用の紙オムツのように、ブランドごとの製品特徴が似ている商品は、ブランドを絞りこんで販売するといった具合です。

つまり、商品の種類は膨大にあるのですが、同じジャンルにおけるブランドの数は絞られているのです。これにより「商品が多過ぎて迷った結果、買うのをやめる」という事態を防げます。

こういった、さまざまな利益をあげる工夫により、安い価格を維持することができるものと考えられます。コストコに限らず、まとめ買いは、買い手が支払うコストを低くできるものです。

理由の1つは、輸送コストが下がることです。とくに通販の場合は、1個買っても10個買っても、宅配便で店から自宅まで届けるために、必要なガソリン代や人件費はあまり変わりません。まとめ買いする顧客に対しては省コスト分、割引することができます。

もう1つの理由は、売り手が収入を得るタイミングです。同じ200万円のモノを販売するにしても、最初に一括で200万円支払われれば、そのお金を運用することも可能です。また、請求や発送などの処理にかかる手間が減り、人件費も少なくなります。

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