SNSでは「どんだけポンコツなん?」と怒り心頭、新サービス《NHK ONE》がスタート当日に生み出した阿鼻叫喚の"意外すぎる顛末"

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だからこそ、もっと人々に広く伝えればいいと思った。そこで、NHK広報に質問してみた。「NHK ONE」を登録せずに利用できるのは緊急措置なのか、もともとの仕様なのか――。担当者はきちんと応じてくれて、以下のような回答書を受け取った。

NHKからの回答
筆者の元に送られてきたNHKからの回答(画像:筆者提供)

丁寧な回答でありがたかったが、内容には驚いた。最後にハッキリと書いてあるとおり、これは「移行措置ではなく、今後も継続」するとある。改正放送法を踏まえている、とも書かれている。「フリーライドも抑止できるよう、最適な方法を継続的に模索した」とあるから、私の気づかない抑止法が施されているのかもしれない。

その辺りはわからないが、私は登録せずに使えてしまっているので、このまま登録しないだろう。もちろん、登録したらこんなメリットがあると説明されて、そのほうがいいと思えば登録する。

私だけでなく、登録しなくても使えると気づいた人は大勢いるに違いない。その人たちをNHKは少しずつ登録に導こうとするのだろうか。

そうであれば、そもそも「移行期間」を設ければよかったのではないだろうか。旧アプリを10月1日と同時に停止する必要はなかったはずだ。しばらく並行させておき、いついつまでに登録を済ませてくださいとアナウンスすればよかったのではないか。

簡単なことを難しくするNHKの気質

ネットでの「集中」はトラブルを生みがちだと、誰もが知っている。それを避ける手立てはあったと思う。

今回の件は、簡単なことを難しくしてしまうNHKの気質のようなものが表れてしまったように思う。私だけでなく、多くの人が時間を無駄にした。ちゃんと総括をして、会見を開くなどすべきだと思う。

関係者の猛省を求める。そして、新聞協会が怒りを爆発させないことを祈る。それと、受信料を払っていない人がうかつにアプリをインストールすると、契約を迫られる可能性があることは、書き添えておきたい。

境 治 メディアコンサルタント

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さかい おさむ / Osamu Sakai

1962年福岡市生まれ。東京大学文学部卒。I&S、フリーランス、ロボット、ビデオプロモーションなどを経て、2013年から再びフリーランス。エム・データ顧問研究員。有料マガジン「MediaBorder」発行人。著書に『拡張するテレビ』(宣伝会議)、『爆発的ヒットは“想い”から生まれる』(大和書房)など。

X(旧Twitter):@sakaiosamu

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