沖縄はソフトパワーで飛躍する
基地跡にエンタメ自治体 沖縄発のクールジャパン
大崎社長は映画祭の最終日に枝野幸男経済産業相と会談。その席上、経産相に披露したのが「エンターテインメントヴィレッジ構想」だった。これは、沖縄の地に世界初のエンターテインメント産業を中心とする自治体を作り、クリエーターらが実際に暮らしながら人材を育成するという壮大な計画。その場所として、米軍基地の返還後の跡地を具体的に挙げている。
「新しい日本のポップカルチャーを沖縄で学んでもらい、沖縄から発信する。それが新しい沖縄の収入源になる。それは芸能が生まれる島の特性にも合っていると思うし、地政学的にも最適だと思う」と大崎氏は言う。10年かけて自治体化を目指す計画だが、手始めに沖縄に50人程度の高校生を集め、オープンスクールを開講することから始める計画。将来的には、常設のタレント人材育成施設を建設し、同社も本格的に沖縄に拠点を構える意向だ。
「アジアの中の沖縄、日本の窓口の沖縄という位置づけにし、アーティストや作家をいっぱい呼んで、アジアの子どもたちにも教えていきたい。ゲームやアニメだけでなく、ポージングやヘアメイク、ウォーキングといった、今後の日本のポップカルチャーの代表になる芽を見つけ出したい」と大崎氏の構想は膨む。
沖縄の文化や地の利を最大限に生かせば、世界のソフトパワー発信基地となる潜在力は十分にある。あとは、それをどう開花させるかに懸かっている。
(宇都宮徹、福田恵介 =週刊東洋経済2012年4月28日・5月5日合併特大号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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