沖縄はソフトパワーで飛躍する
「沖縄はタレントやアクション俳優の人材が豊富。モーションキャプチャーなどデジタルコンテンツが発展する土台はある」と山添氏は言う。プロデューサーやディレクターといった人材の育成が課題と指摘するが、沖縄のコンテンツの拡大は世界を目指すという高い目標を掲げる。
食を生かし、沖縄文化を海外に発信している実例もある。香港や上海、シンガポールなどで日本・沖縄料理店を24店舗展開する「えんグループ」がそれ。沖縄の食材を生かしたメニューがアジアで人気の的になっているが、代表を務める又吉真由美氏は「沖縄料理は、あこがれの日本食でありながらアジアの人がもともと食べている味に近い。それが中国などで受け入れられている」と紹介する。
同グループのさらなる特徴は、ディナーショーやコンサートを店内で開催している点。沖縄民謡歌手や県出身アーティストが頻繁に公演しているが、「ほかの店からも『うちにも呼びたい』と問い合わせが多い」(又吉氏)。
「沖縄をクールジャパンの発信拠点に」と考えているのが、国内一のお笑いタレント数を擁する吉本興業だ。同社は、毎年3月に「沖縄国際映画祭」を開催。今年で4回目を迎え、41万人の観客を動員した。
「最初は、地元の人が楽しみにしてもらえるお祭りにしたいと考えていた。初期の目的の糸口にたどり着いたと思う」と、吉本興業の大崎洋社長は自信を見せる。一方で、「沖縄に貢献したい」との思いは映画祭だけにはとどまらない。