ポテトの王者カルビー、鷹揚な社風を改革し収益力激変、成長への新たな種まきも
第2の創業は、まさに嵐の中での船出となった。
昨年3月11日、スナック菓子で国内最大手のカルビーは東京証券取引所1部に上場した。当日の東日本大震災で新宇都宮工場など4工場が一時生産を停止。3月末から工場は順次復旧したものの、貴重な春商戦での商機を失った。さらに、油脂や包材など原材料価格の高騰も重くのしかかり、上場1年目となる2012年3月期は、第1四半期(11年4~6月)、前年同期比で営業利益が半減するなど、大きく出遅れた。
しかし、昨夏以降、業績は力強い回復を見せている。12年3月期通期は最高益を更新したもよう。逆風を吹き飛ばすことができたのは、09年から取り組んできた社内改革が着実に成果を上げているからだ。
鷹揚な社風を改革 収益力が劇的に向上
1949年に広島で設立されたカルビーは、創業家の松尾家に率いられ、「かっぱえびせん」「ポテトチップス」「じゃがりこ」など数多くのヒット商品を生み出してきた。国内スナック菓子市場でのシェアは4割を超えるナンバーワン企業だ。
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