ポテトの王者カルビー、鷹揚な社風を改革し収益力激変、成長への新たな種まきも
そして三つ目の課題が海外だ。
「カルビーは日本のスナック市場におけるエクセレントカンパニー。その技術力だけでなく、卓越した経営も高く評価している」(康師傅控股有限公司の魏應州董事長)
脱「趣味の海外事業」 中国大陸開拓へ一歩
4月9日、カルビーは、台湾・頂新グループで中国食品大手の康師傅と、中国で合弁会社を設立すると発表した。新会社には、カルビーが51%、康師傅が45%、伊藤忠商事が4%出資。今後、中国で三つの合弁会社を設立し、事業を拡大する計画だ。
売上高に占める海外比率を20年に30%まで高めることを目標に掲げているが、現在はわずか4%程度。「趣味の海外事業」(松本会長)から脱するため、09年に米ペプシコと資本提携するなど、本格的な海外展開の準備を進めてきた。
カルビーの海外事業は、現地での製造販売が基本。かさばるスナック菓子は輸送費が高くつく割に単価が安く、日本からの輸出では採算が合わないからだ。本格的な海外進出となれば工場建設から行うため、どうしても時間がかかる。自社単独ではなく、パートナーと提携する戦略を取るからなおさらで、これまではめぼしい成果を上げられずに来た。