中国、新車の5割がEV・PHVで道路財源不足の難題 燃料課税に代わる仕組み必要と、専門家が直言

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EVとPHVの急速な普及は、中国政府に道路財源不足という難題をもたらした。写真はEV・PHV大手のBYDが開催したイベントで湖北省武漢市内を走行する車両(同社ウェブサイトより)

中国の自動車市場では、新車販売台数に占めるEV(電気自動車)およびPHV(プラグインハイブリッド車)の比率がすでに5割に達し、さらに上昇する勢いだ。そんななか、主に石油製品消費税(訳注:日本の揮発油税に相当)に頼ってきた道路の維持管理財源の不足をどう穴埋めするかが、新たな課題になっている。

「EVとPHVにも応分の道路維持管理費用を負担させ、(エンジン車との)より公平な競争環境を整えることを(政府の)所管部門は検討すべきだ」

国務院直属の政策研究機関、国務院発展研究センターの市場経済研究所の副所長を務める王青・研究員(教授に相当)は、9月13日に開催された自動車業界のフォーラムでそう直言した。

ガソリン価格の46%が税金

石油製品消費税は「燃油付加費」の通称で呼ばれ、現時点ではガソリン1リットル当たり1.52元(約31円)が徴収されている。仮にエンジン車のオーナーが50リットル給油すると、76元(約1575円)の燃油付加費が道路財源に回る計算だ。

しかしEVは給油が要らず、PHVも給油量が非常に少ないため、燃油付加費をほとんど払っていない。言い換えれば、EVとPHVのオーナーは道路の使用者にもかかわらず、相応の維持管理コストを負担していないのだ。

「ガソリンには燃油付加費だけでなく、増値税(付加価値税)や都市建設付加費、教育支援付加費なども課されており、その比率は小売価格の46%に上る。仮にこれらを充電費用に上乗せすれば、EVとPHVのランニングコストは大幅に上がる」

国有自動車大手の長安汽車の楊大勇・執行副総裁(副社長に相当)は、最近、公の場でそう指摘した。

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