"学校での避難訓練"は自宅では通用しないことも…「防災のプロ」が指南する【地震対応】の新常識

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私自身も阪神・淡路大震災のとき、ただごとでない揺れの中で、本当に何もできませんでした。ただただ、「早く収まってくれ」と念じるだけでした。大地震のときにはうずくまることしかできないというのは、自分が経験したことです。

ただし、しゃがみこむしかできなかったとしても、その場で自分の身を守ってください。近くにクッションやバッグなどがあれば、それで頭や首の後ろなどを覆って、落下物などから頭と、首や手首など太い血管を守ります。

(出所:『防災のプロが自分でやっている防災法を1冊にまとめてみた』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

意外と知らない「災害後」の対処

かつては大きな揺れが来たら「まず台所の火を消そう」と言われていました。

防災のプロが自分でやっている防災法を1冊にまとめてみた
『防災のプロが自分でやっている防災法を1冊にまとめてみた』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ですが、近年のガスコンロは、震度5以上の揺れを感知したら自動的に火が消える仕様になっています。ですから、無理してまで消そうとはせず、あなた自身の命を優先させる行動をとってください。

都市ガスも、プロパンガスも、マイコンメーター(ガスの使用量を測る計器)が揺れを感知して、自動的に止まります。ですから逃げるときに、ガスの元栓を閉める必要はありません。

それよりも、自動的に止まったガスを再開させる方法を知っておいてください。知らずにいて、あとで困る方がとても多いのです。

マイコンメーターに付いているキャップを回して外し、赤い表示ランプが点灯するまでボタンを押すだけです。3分後にランプの点滅が消えたら復帰完了。いつも通り、ガスが使えます。

大地震が来たときに、最も大切なことは、パニックにならないこと。焦らず、できるだけ冷静になるために、防災対策を"いつもやっている"日常生活の延長線上に取り入れるようにしておきましょう。

永田 宏和 防災プロデューサー、NPO法人プラス・アーツ理事長、デザイン・クリエイティブセンター神戸センター長

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ながた ひろかず / Hirokazu Nagata

1993年、大阪大学大学院修了。2005年、ファミリーが楽しく防災を学ぶプログラム「イザ!カエルキャラバン!」を開発。2006年、NPO法人プラス・アーツを設立し、理事長に就任。現在、全国各地及び、中国、台湾、東南アジア、中南米など海外での防災教育普及に積極的に取り組む。東京メトロ、三井不動産グループ、JT、無印良品、NHKなど企業・メディアが展開する防災啓発プロジェクトの企画プロデュースにも数多く携わる。

『第6回21世紀のまちづくり賞・社会活動賞』受賞、『第1回まちづくり法人国土交通大臣賞【まちの安全・快適化部門】』受賞。国際交流基金『地球市民賞』受賞。JICA理事長賞受賞。TBS「情熱大陸」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ番組にも多数出演。

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