iPhone17カメラを支える「日本企業4社」の正体、各社のトップが横浜の技術拠点に集まって来日中のアップルCEOに技術プレゼンテーションを実施

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ソニーはiPhone 17のカメラシステムに搭載されているイメージセンサーを設計・製造している。

ソニーグループの十時裕樹社長も参加していたが、プレゼンをしたのはソニーセミコンダクタソリューションズの指田慎二社長。「2011年からはiPhone向けにイメージセンサーの出荷を開始した。それ以来の長年の協力関係だ。ソニーのイメージセンサー事業は年々収益を拡大しており、15年間で約9%の年平均成長率を達成する非常に重要なビジネスとなっている」と語った。

左端がソニーグループの十時裕樹社長。クックCEOの右がソニーセミコンダクタソリューションズの指田慎二社長(写真:アップル提供)

他メーカーでは代替できない理由は「毎年、次に何ができるかと共にアイディアを出しながら、部分的にはセンサーそのものに機能を組み込んだり、密な協力体制をとっているから」と説明した。

アップルと日本企業の深い関係

日本の精密技術がiPhone 17のカメラ革新をどう支えているかという質問に対し、クックCEOの答えは明確だった。

「iPhone 17、17 Pro Max、iPhone Airのカメラシステムの心臓部を支えているのが日本の技術。これらの技術なくしては、われわれが提供しているカメラシステムは実現できない」

とくに「センターステージ」機能について言及し、「今年のiPhoneはスマートフォンで最高のカメラ画質だけでなく、センターステージ機能も組み込まれている。フロントカメラの使い勝手が大きく向上することは、現代のスマートフォンユーザーにとって極めて重要だ」と強調。複数の日本製部品が高度に連携して初めて実現している。

「私たちは共同で、これまで不可能だったものを実現した」

日本企業との協業について、クックCEOはいくつかの要素を挙げた。

「日本企業の特徴を挙げるとすると、精密さ、クラフトマンシップ、品質、そして製品に注がれている細かな気遣いだ。これらを私たちはとても大切にしている」

さらに印象的だったのは、「1+1が3になる」という表現だ。

「単に部品を供給してもらうだけではなく、技術について意見を交換し、協力することで、どちらか一方では達成できないことを成し遂げることができる。これが日本のパートナー企業について、私が大きく評価している点だ」

YTCのクリーンルームの様子(写真:アップル提供)

デザインへの共通の価値観についても言及。「アップルはデザインを愛し、日本もデザインを愛しています。そこには自然な交差点がある」。しかし、それ以上に重要なのは「決して満足しない」という共通の特性だという。

「アップルは決して満足することはない。そして実は、日本も決して満足せず、常に次を目指して働いていると思う。これは協力し合う二つの存在が持つ素晴らしい特性だ。なぜなら、共に素晴らしい仕事を成し遂げることができるからだ」

クックCEOの率直な発言は、日本の技術力への揺るぎない信頼の証しのように聞こえた。日本の製造業に受け継がれてきた「決して満足しない」精神を高く評価している企業のひとつがアップルであることは間違いなさそうだ。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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