「最高値更新後の日本株」をどう考えればいいのか ? 日経平均は今後「アメリカ並みのPER23倍」を目指す可能性が出てきた

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以上が、いわば「立ち向かうべき敵」と見た日経平均の姿だが、これらは投資家の多くが認知しているところであり、前述の①~⑧の「実態」は、株価にかなり織り込まれたと思われる。

日本株はバブルではないが、注意すべき短期リスクは?

では株価はなぜ下がらないのだろうか。もちろん「実態」が継続中であることもあるが、主に以下の3つの理由が挙げられる。

① 日本経済はまだバブル化しておらず、ここで天井を打つには早すぎる。現在のPER18倍台や、PBR(株価純資産倍率)1.5倍台は健全な水準
②  トランプ関税で減益転落と見られていた日本企業は意外に頑張っている。三井住友DSアセットマネジメントの調査によると、2025年度の経常利益は前年比+4.3%と予測され、2026年度にはさらに+7.6%と見込まれており、増益基調は継続する見通し
③ 25・75・200日移動平均線がすべて上向きに推移。しかも、筆者が重視する「総合乖離率」(株価と3つの移動平均線の乖離率の総和)も30%未満と、異常乖離(過熱相場)ではない

もちろん、短期的な下落リスクは常にある。当たり前のことだが以下の①~⑥のようなリスクが挙げられそうだ。

① ソフトバンクグループ、アドバンテストが下落して半導体・AI関連銘柄人気が再び調整に入る。
②1ドル=130円台への円高
③株価が8月、9月と予想外に急上昇したため、高いと思われている年末相場に利益確定売りが出やすい
④海外投資家の買いが日本の政治的混乱で一転して売りに変わる可能性
⑤トランプ関税による本格的物価上昇、または関税政策が最高裁判決で違憲となったときのアメリカの混乱
⑥ほどよいインフレ経済とならず、スタグフレーション(不況下でのインフレ)突入の可能性

等々、いくらでもある。

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