首相辞任でも自民党の"地盤沈下"は止まらない? 石破政権が1年足らずで「無念の退陣」に至った必然
“地盤沈下”の理由の1つが「自民党離れ」だ。とりわけ岩盤支持層といわれ、安倍・菅政権を支えてきた層が、2022年7月に安倍晋三元首相が暗殺されて以降、自民党に関心を持たなくなった。とくに、2024年に党内で故・安倍元首相と対極的な位置にいた石破氏が政権に就くと、その傾向は高まった。
党内においても、その基盤は盤石ではなかった。側近が少ないことで知られる石破首相だが、辞意表明の会見前に官邸に駆けつけたのは、岩屋毅外相と村上誠一郎総務相、そしてアメリカとの関税交渉を担当する赤沢亮正経済再生担当相の3人だった。

自民党に“再生”のエネルギーは残っているか
とはいえ、石破政権が誕生したのは“歴史の必然”ともいえた。
2012年12月に自民党が民主党から政権を奪還し、7年8カ月の長期にわたる第2次安倍政権が誕生した。当時の日本の1人当たりの名目GDP(国内総生産)は世界17位だったが、2022年には35位まで転落した(国際通貨基金まとめ)。2023年には名目GDPでドイツに抜かれて世界4位に転落し、日本はもはや自民党政権では“出口”が見えない状態になっている。
「政治とカネ」の問題も、自民党の地盤沈下を促進した。7月の参院選の投票率は58.51%で、3年前の前回より6.46ポイント上昇した。つまり594万9070人が新たに投票したわけだが、自民党は選挙区で613万3282票、比例区で544万7939票も減らしている。
たとえ石破首相が去ったとしても、この傾向は変わらないだろう。国民民主党や参政党といった新興勢力が台頭しつつある。それに抗するためには自民党が時代を先取りする政党として大きく生まれ変わる必要がある。はたして、今の自民党にそのエネルギーは残っているのか。
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