"無敵の人"になりつつある石破首相、身内のはずの自民党が警戒する「死なばもろとも解散」の現実味
当時の中曽根首相の指示の下で、衆院解散に動いていたのが第2次中曽根第1次改造内閣で副官房長官を務めていた山崎拓元幹事長だった。解散に反対していた金丸信幹事長(当時)と水面下で交渉し、納得させた。
ある関係者は「衆院解散という選択肢を石破首相に吹き込んだのは、山崎元幹事長ではないか」と、いぶかしむ。山崎氏は石破応援団の筆頭格で、「石破降ろし」に強く反対しているからである。

動機は十分だ。山崎氏は「石破降ろし」の急先鋒である麻生太郎最高顧問と犬猿の仲で、福岡県知事選などをめぐって鋭く対立してきた。よって「石破降ろし」を潰すことができるなら、麻生氏に一矢報いることになる。
その山崎氏は8月24日、石破首相や小泉純一郎元首相らと会食した。小泉氏が2005年の郵政選挙で296議席も得て大勝した経験を語り、石破首相に政権運営のアドバイスを行ったとされるが、小泉氏は現在の政局にさほど関心を示さなかったようだ。
「実際の主催者は山崎氏で、話題を呼ぶために小泉元首相を参加させたのだろう。会食の狙いは、石破首相に衆院選に踏み切らせることに違いない」と同関係者は推測する。
“暴走”する石破機関車の行方
目的のためには手段を選ばないといった風潮になっている。実際に石破首相は森山氏をはじめ、党幹部を辞任させるつもりはない。石破首相が“次”を任命しない限り、9月末の任期満了まで彼らは解放されないことになる。
「こんな状況で衆議院を解散しても、自民党は勝つことができるのか」と、ある自民党議員は自嘲ぎみに話した。「そもそも石破首相には『何がなんでも、これをやりたい』というものが見えてこない。しかも、国民が最も期待する経済政策はゼロに等しく、これで議席が昨年以上に減らないと思うこと自体がおかしくないか」(同)。
石破首相の“暴走”は誰も止められず、ひたすら周囲を巻き込みながら進んでいく。そのような石破氏の下で衆議院が解散されるなら、「死なばもろとも解散」と名づけるほかない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら