TTの再来…ではないアウディ「コンセプトC」が見せた「新しいアウディ」始まりの日
「TTは、まるでほかの星からやってきたかのような斬新なコンセプトでした。なにがすごいって、明快なメッセージが伝わるデザインならば、大声を出さなくてもそれが伝わると教えてくれたことです」
そして「私はそんなクルマをデザインしたいんです」と言葉を続けた。
コンセプトCには、アウトウニオン・タイプCやTT(ウインドウグラフィクスは1994年のプロトタイプを思わせる)に加え、「アイコン」(2017年)や「パオン 2030」(2018年)、さらに現行「e-tron GT」も見てとれる。

コンセプトCのタルガトップを開けた状態を側面から見ると、911タルガで特徴的なロールオーバーバーを組み込んだリアウインドウのイメージも近い。
この先、市販化に向けてさらにブラッシュアップされていくだろうが、アウディデザインの大ファンを自認するフラチェッラ氏ならではのこだわりが、どれだけ残されるかは見ものだ。
「私たちは個性も失ってしまった」の真意
「アウディは、あらゆるチャレンジをして成功を収めてきました」
ミラノの会場で、デルナーCEOは語った。

「先進的技術、革新的デザイン、ラリーを含めたモータースポーツでの優秀な成績……。ところが、ここにきて私たちは才能とともに個性も失ってしまいました」
衝撃的な発言だ。それに続けてデルナーCEOは言う。
「いまは短時間で成果を出さなければ、ビジネスでの成功がおぼつかなくなっています。そこで私たちは、明快なメッセージを持ったモデルで勝負します。エンジニアリングにすぐれ、デザインが秀逸で、そしてユーザーに幸福なドライブ体験を与えること……」
それが「明快さの追求」。そのコンセプトを設定したことで、「今日が、新しいアウディの始まりの日となります」とデルナーCEO。
「これによって、再び私たちは、勇気があり、しっかりした目的を持ち、かしこく、そして革新をつねに求めるメーカーになるのです」

アウディファンだけでなく、世界中のクルマ好きへのメッセージだ。おおいに期待しようではないか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら