中国新興EVのダークホース「零跑汽車」が大躍進 上半期の販売22万台超え、損益もすでに黒字化

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零跑汽車は現在、コンパクトカーから中型SUVまで7車種を販売しており、中国自動車市場のボリュームゾーンである車両価格10万~20万元(約205万~411万円)の価格帯をカバーしている。

なかでも2025年4月に発売した小型SUV「B10」は、メーカー希望価格9万9800元(約205万円)からの低価格ながら上級車並みのスマート機能を装備し、月販1万台を超えるヒットになった。

同社製のEVはコストパフォーマンスの高さが消費者に高く評価されていることに加えて、市場のボリュームゾーンが(景気の減速を受けて)低価格方向にシフトしていることも販売の追い風になっている。

零跑汽車の工場は増産に次ぐ増産に沸いている。写真は中国工場の溶接ライン(資本提携先のステランティスのメディア向け資料より)

積極的な提携戦略の成果も出ている。零跑汽車は2023年11月、ヨーロッパ自動車大手のステランティスと資本提携し、海外事業の合弁会社を設立。ヨーロッパ市場を中心に海外販売拠点を600カ所超に拡大した結果、2025年上半期の輸出台数は2万台を超えた。

2026年の販売目標100万台

中国国内では、2025年3月に国有自動車大手の第一汽車集団と戦略提携の覚書を交わした。両社はEVの共同開発にすでに取り組んでおり、今後は資本提携の可能性も探るという。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

零跑汽車は下半期の販売にも強気の見通しを立てており、2025年通期の販売目標を従来の50万~60万台から58万~65万台に上方修正した。さらに、2026年には通期で100万台を販売する目標を掲げた。

同社への期待は株式市場でも高まっている。香港証券取引所に上場する零跑汽車の株価は、(上半期決算を発表した翌日の)8月19日の終値が73.35香港ドル(約1384円)と前日比7.6%上昇。年初来の上昇率はすでに100%を超えている。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は8月19日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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