次のモデルはGT(グランツーリスモ)か? 無視できないランボルギーニCEOヴィンケルマン氏の発言を解く

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V型12気筒エンジンを搭載したエスパーダ(写真:Automobili Lamborghini)

「ウルスよりコンパクトなSUVを計画から落としたのは、それほど大きくない市場でパイを取り合うのは賢明でないと思ったからです。そこでGTが選択肢となったのです」

そのパワープラントがバッテリー駆動になるか、プラグインハイブリッドになるか。現時点では、決定がなされていないそうだ。

ランザドールは「ウルトラGTという新しい自動車カテゴリー」になると、ランボルギーニはホームページでうたっている。

メイド・イン・イタリーのスポーツカー

いずれにしても、車種が増えるとなると、生産キャパシティを拡張する必要が出てくる。

2024年の販売実績は1万687台。直近の数値を振り返ると2022年が9233台、2023年が1万112台(ランボルギーニ史上初の1万台超え)だから、着実に増えている。

イタリアはボローニャ近郊のサンタガタにある本社工場の生産キャパシティは、限界に近づいてきている。

そこでランボルギーニ社は、隣接した土地を工場用地として買収。いまは政府からの認可を待っている段階にある。

東欧など、用地があり労働力も比較的容易に確保できる場所に工場を建てるのは、自動車メーカーの定石。しかし、ヴィンケルマンCEOは「それはやらない」と断言する。

レヴエルトの生産ラインの様子(写真:Automobili Lamborghini)

「ランボルギーニはメイド・イン・イタリーであることが重要なのです」

「地域ごとに市場の好みは違う」としてヴィンケルマンCEOが例にあげたのは、長いホイールベースを求める中国や、トラック(SUV)ばかりが売れるアメリカだ。

「市場の嗜好性は推移しますし、技術が進歩する速度は速い。さらに環境対策もあるし、投資額はどんどん上がっています」

そこで、商品性を保つためには「モデルサイクルを短くしなくてはなりません」とヴィンケルマンCEOはいう。

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「これからの時代、スポーツカーを作り、世界中で売るのは、多くのリスクをはらんでいるのです。でも、ファンのためにはやるしかないですね」

そう言うと、ヴィンケルマンCEOは笑うのだった。ランボルギーニは、この先もスポーツカーファンの期待を超えたクルマを発表し続けてくれることだろう。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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