【ハイエースや軽バンではなく、普通のミニバンをベースにするメリット】日産「セレナ」の車中泊仕様「ラクネルステイ・スイート」が人気の訳

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AC100Vコンセントやシガーソケット、USB電源などを備えたキャビネット
AC100Vコンセントやシガーソケット、USB電源などを備えたキャビネット(筆者撮影)

同じセレナのe-POWER(ハイブリッド)車のように、高速道路など一定条件下でハンズオフ(手放し)運転も可能な「プロパイロット2.0」こそ装備していないが、普通のプロパイロットでも安全面や機能性は十分。高速道路の単調な渋滞走行と長時間の巡航走行で、ドライバーの負担をかなり軽減してくれるといえるだろう。

メティオによれば、こうしたベース車の先進機能は、近年、多くのキャンピングカー・ユーザーが求めているものだという。たとえば、メティオのラクネル・シリーズのなかでも、アトレーをベースにしたモデルは、ダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」を搭載することで、人気が高いという。とくに、日産のプロパイロットに近いACC機能も、渋滞時にも対応した全車速追従機能付きであることが大きいようだ。アトレーは、軽商用バンのなかでも、こうした先進運転支援システムがより充実。メティオの担当者いわく、「車中泊仕様車でもユーザーがベース車に選ぶことが多い」モデルのひとつだという。

そして同社では、そうしたニーズをうまく捉えるために、乗用ミニバンでも先進運転支援システムに定評のあるセレナを選択。しかも、これも前述のとおり、ガソリン車をベースとすることで、価格帯を可能な限り低く抑えているという。

充実装備と快適性のバランス

ちなみにセレナには、先進機能のほかにも、スライドドアを自動開閉する「スライドドアオートクロージャー」も備える。また、スマートキーを携帯していれば、クルマの下に⾜先をスッと⼊れてサッと引くだけでドアが自動開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」も搭載する(Xグレードは助手席側にオプション、XVグレードは両側に標準装備)。小さな子供を抱いていたり、両手に荷物を抱えていたりするときなどでも、スライドドアを自動開閉できる機能だ。当然ながら、ラクネルステイ・スイートでも、これら機能を使うことが可能。つまり、このモデルは、車中泊だけでなく、旅先への移動や普段使いにも便利な多くの機能を使えることも大きな特徴だといえる。

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キッチンや常設ベッドなど豪華で快適な専用設備こそないが、街中からアウトドアまで、シーンを選ばないオールマイティさが魅力。従来の本格キャンピングカーと一線を画すこうした特性に対し、市場が今後どう反応するのかが興味深い。

 

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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