ロボホン9年の知見と最新LLMが生んだ3万9600円の手のひらロボット、シャープ「ポケとも」の挑戦

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ポイントは、ロボットとアプリで交わした会話の記憶が途切れないことだ。朝にロボットと話した内容を、昼間はアプリが覚えている。夜に帰宅してロボットと再会した時には、一日の出来事を踏まえた会話ができる。

アプリ版だけでの利用も可能で、月額495円でポケともとの対話を楽しめる。ロボット購入者は同じ月額料金で両方を利用でき、シームレスな体験ができる。そのおかげで、物理的な制約を超えて「いつでも一緒にいる」感覚を作り出している。

CE-LLMと「共感性」という新技術

ポケとものおしゃべりを支えているのは、シャープ独自のAI技術「CE-LLM」だ。Communication Edge - Large Language Modelの略。エッジデバイスとクラウドAIをシームレスに使い分ける技術のことだ。

実はここが、ロボホンとポケともの大きな違いでもある。ロボホン発売当初の2016年は、まだLLM(大規模言語モデル)技術が発展途上だった。そのためロボホンでは後から追加アプリとしてChatGPTを通じた会話サービスを提供している。一方、ポケともは当初からLLMベースの対話機能を搭載している。9年間の技術進歩を生かした設計だ。

AI技術
シャープはエッジAIとクラウドAIを使い分けるプラットフォームを開発している。ビジネス向けの議事録作成サーバーや調理家電でも利用されている技術だ(筆者撮影)

「基本的にはOpenAIのGPT-4o miniを使っていますが、柔軟に変更できる仕組みにしています」と景井氏。LLMがどんどん進化するので、複数のAIエンジンを組み合わせることもできる設計にした。

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