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まるで「NPOのエンジェル」社会起業家に伴走支援→同じ問題意識を持つ寄付者とNPOをマッチング、女性リーダー支援基金には上野千鶴子氏が出資

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パブリックリソース財団の岸本氏は、基金の原資となる寄付金を継続的に集めることの難しさを語る。

「女性リーダー支援基金では政治家志望者の支援も対象に含まれる。基金として特定の党派や政治家を応援しているわけではないが、企業がこの基金の支援に踏み込むことは難しいかもしれない。同じ志を持つ人の輪を広げることが必要だ」

女性リーダー支援基金に限らず、パブリックリソース財団が取り組むのは「意志ある寄付で社会を変える」こと。一般市民や企業など寄付によって社会貢献しようとしている寄付者と、社会課題に取り組むNPOや社会起業家の間に立ち、それぞれをつなぐ活動を行っている。

同財団では、寄付者と相談しながら基金の設立を検討する。その後、寄付者と同じ問題意識を持つパートナー団体と引き合わせ、寄付金からなる基金を原資として団体に助成を行う。財団はパートナー団体の活動現場や受益者の様子を調査し、寄付者に活動・成果報告を行うという枠組みとなっている。

社会起業のスタートアップ支援

パブリックリソース財団は、2013年の設立から50以上の「オリジナル基金」を設立してきた。寄付の運用には財団の設立も一般的だが、基金でも財団と同様の効果を迅速かつ柔軟に、コストを抑えて実現できる。

近年は企業単位の基金設立や、個人が遺贈で基金を作る場合も増えているという。ベンチャーのスタートアップ支援やエンゼル投資のような初期フェーズを経て、自走できるNPOや社会的起業家のサポートを目指している。

現状、基金の設立には最低100万円が必要。一方で、パブリックリソース財団が運営するオンライン寄付サイト「Give One(ギブワン)」では少額からの寄付が可能だ。

ギブワンに掲載されるのは、信頼性や社会的なインパクトなどの観点から寄付適格性を評価し、認証された団体・プロジェクトだ。パブリックリソース財団はこうした認証事業も手がけ、「寄付適格認証団体データベース」として寄付者が安心して寄付できる団体等をまとめている。

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