2022年11月に施行されたDSAは、EU域内の月間アクティブユーザー数が4500万人を超えるネット関連企業を「大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定し、より厳しい規制を適用している。その中には、違法コンテンツや模造品を排除する責任、年1回以上のリスク評価報告書の提出義務などが含まれている。

越境ECを手がける中国企業では、低価格ECの拼多多(ピンドゥオドゥオ)の傘下にあるTemuのほか、EC最大手の阿里巴巴集団(アリババ)傘下の「全球速売通(アリエクスプレス)」、ショート動画アプリの「TikTok(ティックトック)」、低価格アパレルの「SHEIN(シーイン)」などがVLOPに指定されている。
違法商品以外も調査
欧州委によれば、EU域内でオンライン販売される商品が激増する中、安全性に問題のある製品、模造品、(EUの規制を無視した)脱法製品が増えている。これらの商品はEUにおいて消費者の健康や安全、環境保護、「デジタル単一市場」(訳注:EUのデジタル経済圏の統合構想)での公正な競争などに悪影響を及ぼす可能性があると、欧州委は神経を尖らせている。

Temuに対する欧州委の調査は現在も継続中だ。違法商品の拡散防止のほかにも、利用者のリスクを緩和する対策の有効性、中毒性のあるプログラムの有無、リコメンドシステムの透明性などについて審査することになっている。
なお、今回の欧州委の暫定的な調査結果について、Temuは(7月末時点で)公式なコメントを発表していない。
(訳注:Temuの広報担当者は欧州メディアの取材に対し、「欧州委の調査に完全な協力を続ける」とコメントした)
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は7月29日
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