EVシフトで「スバルらしさ」は失われないか? 北海道でのレイバック試乗会で痛感した藤貫CTOの「あの言葉」

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「レヴォーグ レイバック」は純ガソリン車のみの設定(筆者撮影)
「レヴォーグ レイバック」は純ガソリン車のみの設定(筆者撮影)

そうとはいえ、スバルをブランドとして見た場合、ツーリングワゴン、アウトドア、そしてSTI(スバル・テクニカ・インターナショナル)に代表されるスポーティ性などの多面性があり、それとパワートレインのマルチパスウェイを組み合わせて、次世代のスバルブランドを構築するのはかなり難しい印象がある。

「コモディティ」にならないクルマづくり

この点について、筆者はスーパー耐久シリーズ2025「富士24時間レース」で実施されたスバル幹部の会見に出席し、取締役専務執行役員でCTO(最高技術責任者)の藤貫哲郎氏に、次のような疑問をぶつけてみた。

「スバルブランドのこれからについて聞きたい。スポーツ性の強いSTIがある一方で、収益の中核はフォレスターなどのSUVだ。スーパー耐久などレース活動も含めて今後、スバルブランドの訴求をどう考えているのか」

富士24時間レース開催時にスバルが行った会見の様子。中央が藤貫氏(筆者撮影)

藤貫氏は筆者の質問に対し、次のように切り出した。

「(スバルが)コモディティになったら(市場での競争に)負ける。(顧客が)あえてスバルを選んでくださる理由は何かを、しっかり考えないといけない」

そのうえで続ける。

「社内でいろいろ議論しているが、(大事なのは)決して我々がやりたいことではなくて、お客様が(スバルに)望んでいることをやっていくことだと思っている。考えるだけではなく、(まずは)いろいろやってみて、お客様の反応を見ながらどうしていくかを考えていくということだと思っている。拡張性と柔軟性で、フィードバックしながら作っていく」

また、スバルの事業の大黒柱であるアメリカについても触れた。

「我々はアメリカで(近年の)ブランド(イメージ)ができあがった(という経緯がある)が、決して我々が作ったわけではない。お客様に作っていただいたブランド価値だ。(今後も)いろいろな仕掛けをしながら、お客様とブランドを一緒に作っていくアプローチになると思う。(日本市場も含めて)SUV系、またスバルらしいスポーツ系とはどうなるべきかを、模索していきたい」

6代目「フォレスター」の試乗会にて。奥の車両は5代目「フォレスター」(筆者撮影)
6代目「フォレスター」の試乗会にて。奥の車両は5代目「フォレスター」(筆者撮影)

スバルブランドはこれから先、どのように進化していくのか。

さまざまなイメージを描きながら、レヴォーグ レイバックとの北海道の旅を続けた。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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