Mrs. GREEN APPLEが「騒音」で炎上→「謝ることじゃない」「アンチに負けるな」。《一部ファンの過剰擁護》が示す“憂慮”とは
こうした「不完全な謝罪」を通して、ミセスに対してマイナスな印象を抱くネットユーザーは少なくない。というのも、1年ちょっと前にも、炎上騒ぎを起こしていたからだ。
2024年6月に配信した「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)において、「コロンブスが類人猿に物事を教え、馬車を引かせる」といった描写があったことから、「奴隷商人だったコロンブスを賛美する内容はいかがなものか」「類人猿は先住民をなぞらえているのか」などの批判が相次ぎ、すぐさまYouTubeで非公開に。この曲をキャンペーンに使用していた日本コカ・コーラもふくめての“大炎上”となった。


筆者は当時、東洋経済オンラインのコラム「ミセス『コロンブス』MV大炎上への強烈な違和感」で、炎上後の対応はスピーディーだったと評価しつつ、だからこそ「なぜこのMVが公開に至ったのか」不思議に感じると論じた。そして、以下のように指摘している。
「もしかしたら重大な問題だと気づいていた人も、中にはいるのかもしれない。しかし集団心理の中で言い出しづらかったり、すでに大金が動いていたり、権限がなかったりなどの理由で、ストップをかけられなかったのだとすれば、その病は深くまで根を張っている」
今回の「音漏れ炎上」は、初日から問題視されていたにもかかわらず、公式が触れないまま、2日目まで走りきった。その背景に、もし「気づいていても言えない空気」があったのなら残念だ。いずれにせよ、今回の件も併せて、「事前のチェックの甘さ」が印象に残ったのは間違いないだろう。
一部のファンの“過剰な擁護”も話題に
さて、ここまでミセス公式側の問題点について触れてきたが、それ以上に余波が出そうなのは「一部ファンの過剰な擁護」だ。SNS上ではファンからの投稿が、近隣住民の感情に寄り添ってないとして、多数拡散されている。
X上では「野外だから仕方ない」「ライブとはそういうものだ」「アンチの声に負けるな」といった、開き直りにも受け取れるファンの投稿が見られる。
もちろん、そうしたファンは少数で、心あるファンからは「バンドの顔に泥を塗る行為だ」との忠告も見られるが、世間は一部の「悪目立ちしたファン」で評価する。もしも「厄介なファンを抱えているバンド」といったイメージが定着してしまえば、今後プロモーションにも影響が出るだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら