家業を継いだからといって自分がどんな付加価値を出せるかピンとこなかった--後藤玄利・ケンコーコム社長(第2回)

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転機は99年です。アメリカでダイレクトマーケティングアソシエイションのコンファレンスがあって勉強のために視察に行ったんですが、セス・ゴーディンやトム・ピータースが「2000年はインターネットで変わるんだ」と言っているのを見て、日本とアメリカの景気に天と地の差がある秘密はこれかと衝撃を受けました。

「ECが流通を変える」「カテゴリーのナンバーワンしか生き残れない」という話が特に印象的でしたね。もうダイレクトメールベースの商売はやめてネットに移ろう、健康食品のECでどこにも負けないものをつくろうと思いました。
 
 そのためには実家の商品だけでなく何でも扱うようにしなければダメだし、それまでは1000万~2000万円の自己資金を資本金としていましたが、ベンチャーキャピタルなどの外部資金を取り込まなければいけない。自分一人でマネジメントするのもやめ、前職の同僚や大学の後輩を呼んでマネジメントチームを作りました。

これが、2000年に立ち上げたケンコーコムの始まりです。

ごとう・げんり
1967年2月大分県で80年の歴史を持つ地場の製薬会社の創業家に生まれる。89年3月東京大学教養学部基礎科学科第一卒業、同年4月アンダーセンコンサルティング入社、同社の戦略コンサルティンググループ設立メンバー。94年うすき製薬取締役、同年11月ヘルシーネット(現ケンコーコム)設立、代表取締役就任。97年うすき製薬代表取締役(01年より取締役)、2000年5月ケンコーコムを立ち上げ。
(撮影:梅谷秀司)

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