与党の歴史的な大敗を嫌気して急落は避けられない?参院選後22日以降の日本株はどうなるのか
さらに日銀が発表するマネーストック(M3、経済全体に供給されているお金の総量)でみても、6月は1616兆2000億円と過去最高だった。
また、7月の主要銀行貸出動向では、資金需要D1(「増加」から「減少」を指し引いた指数)が+3と、前回4月の+8を下回ったものの、金融機関の86%は「横ばい」と回答しており、想定内の動きだった。7月のインフレ経済に対応する日銀以外の金融機関の動きを見ると、引き続きお金はジャブジャブ状態が続くとみていいだろう。
さらに、活発な自己(自社)株買いも続いており、「金(カネ)対株のバランス」も良好である。世界市場では、その需給バランスの影響で、17日にはナスダック総合指数とS&P500種指数がそろって史上最高値となり、翌18日においても、ナスダック総合指数は5営業日連続で史上最高値を更新した。出遅れているNYダウ工業株30種平均も、4万4000ドル台に戻り、昨年12月4日の史上最高値4万5014ドルの背中が見えてきた。
その他の市場も、先週は英国のFTSE100指数が一時史上最高値を更新。また、大きく下げていたとはいえ、中国・上海総合指数も年初来高値となっている。また、主要国の株価指数以外では、影響力の大きいフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)も、年初来高値を更新し、2024年4月10日の史上最高値に迫っている。このように、トランプ政策の不透明感がある中で、世界の株価は良好である。
歴史的大敗でも結果は「想定内」
さて、日本株においては、外国人投資家が12年ぶりの「15週連続買い越し」の中で、重要な注目材料であった参議院選の結果が出た。多くのメディアの事前予想は「非改選分をあわせた自民・公明の与党議席数は過半数ギリギリか過半数割れか」となっていた。
果たして、選挙後は「買い」か「売り」か。以下の3つのケースに分けて考えたい。まず第1のケース。「予想で売って結果で買う」という相場格言があるが、格言どおり「ギリギリの結果」なら、勝っても負けても株は「買い」となる。
「負けても買いか」と思うかもしれないが、「ギリギリ」はほぼ「半々」ということだから、ネガティブととらえて売っている投資家と、ポジティブととらえて買っている投資家は半々と考えられる。予想の範囲内なら株価にとってプラスマイナスでゼロだが、相場は不透明感を嫌っているので、不透明感が解消した分、勝っても負けて「買い」ということになる。
問題は予想外の結果になったときだ。それは与党にとって「予想以上の高い数字が出たとき」(第2のケース)か、逆に「予想以上の惨敗になったとき」(第3のケース)だ。当然、第2のケースは「買い」、第3のケースは「売り」とみるのが一般的だ。
今回は与党が改選分では歴史的敗北は喫したものの、非改選を合わせると結果は第1のケースとなったため、「買い」でよさそうだ。
もちろん相場は今後も続く。見てきたように、日本株が大きく下がる要因は見当たらない。上げたところは買わず、下げたところを買う姿勢を崩すべきではない。それが年後半相場を勝つ姿だ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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