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アメリカ銀行大手ウェルズ・ファーゴ 「大スキャンダル後」の飛躍。約7年ぶりに資産規制が解除

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ウェルズ・ファーゴは、1980年代に西部の地域銀行と合併を重ね、カリフォルニア最大手に成長した。1998年にノースウェストと合併し、全米をカバーする体制となり、2008年の金融危機時にワコビアを救済合併し、全米最大のモーゲージ(住宅ローン)バンクとなった。

同行は堅固な国内リテール基盤と高い収益力で、「優良銀行」の代表格として成長してきた。あの著名投資家ウォーレン・バフェット氏は1990年代からウェルズ・ファーゴへの投資を加速し、一時は同氏のポートフォリオで最大の組み入れ銘柄となった。バフェット氏が、同行を「安定的で高収益なリテール銀行」として好み、約30年にわたり投資を継続してきたことは有名だ。

だが、2016年に大スキャンダルが発覚する。行員が顧客の許可なく口座やクレジットカードを開設・発行し、不正に販売実績を稼いでいたのだ。不正行為の期間は数年に及び、200万件以上の口座などが無断で開設されたという。

驚くべきは、5000人以上の行員が関与した組織的な大規模スキャンダルであったことだ。背景には、過大な販売ノルマと収益拡大を至上命令とする企業体質、甘いコンプライアンス体制があった。

バフェット氏も全株式を売却

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