スズキ初のフルEV「e ビターラ」発売に先駆け先行公開!その「走り」の完成度は?

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「バッテリーで重視した点は、劣化して走行距離が短くなっていかないこと、火災を起こさないこと、それにコストの3点でした」

スズキの担当者は説明する。

先にも触れた、モーターとインバーターとトランスアクスルを一体化した電動駆動モジュールがeAxle。トヨタ、デンソー、アイシンの3社による株式会社BluE Nexus(ブルーイーネクサス)株式会社が手がけている。

eAxleは、新型レクサス「RZ」の走行性能制御技術「DIRECT4」の基幹部品でもある。肝煎りで開発された技術なのだ。

フラットな床面から覗くeAxle(写真:スズキ)
フラットな床面から覗くeAxle(写真:スズキ)

e ビターラでは、バッテリーはシャシーの構造材の一部としても使われる。BYDやテスラの「セルトゥボディ」までは踏み込まなかった理由として、メインテナンス性をスズキの技術者はあげている。

バッテリーは水冷式。寒冷時の走行では効率を重視して、温度管理が自動で行われる。スマートデバイスによる遠隔操作で、バッテリーウォーマー機能を、乗車前に作動させることも可能だという。

一充電走行距離は400km以上

ボディデザインは、スズキ社内によるもの。エッジが利いた車体側面のパネルを見ていると、アウディ「Q2」を連想する。

後席は前後スライド機構が採用され、乗員の足元は広い。荷室の前後長は、シートを前に移動させた状態でも835mmが確保されている。

シートのホールド性はサーキットでも不満がなかった(写真:スズキ)
シートのホールド性はサーキットでも不満がなかった(写真:スズキ)
後席では頭上空間がミニマムであることが気になる(写真:スズキ)
後席は前後スライド機構をそなえ足元が広い(写真:スズキ)

ただ、プロトタイプで感じたのは、室内高に余裕がないこと。つまり天井が低い。床下に駆動用バッテリーを収めるいっぽう、全高をやや低めの1640mmに抑えているためだろう。

特にスライディングルーフを装備すると、後席のヘッドルームはぎりぎりとなる。

一充電走行距離は、小さめの49kWhバッテリーを搭載する前輪駆動車でも400km以上。61kWhバッテリー搭載車では、500km以上となる。全輪駆動車は450km以上だ。このあと、正式発表時に、きちんとした数値が出るだろう。

<スズキ eビターラ 4WD>
全長×全幅×全高:4275mm×1800mm×1640mm
ホイールベース:2700mm
車重:1890kg
電気モーター:前後各1基
駆動方式:全輪駆動
バッテリー容量:61kWh
最高出力:フロント128kW/リア48kW
一充電走行距離:450km以上
乗車定員:5名
価格:未定
問い合わせ:スズキ
【写真】eビターラの内外装やディテールをくまなくチェック!(80枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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