真剣に勉強をしても周囲にいる医学生が自分よりも優秀な人ばかりだったこともあり、4回の留年を経験。医師国家試験でも2年連続僅差の不合格を経験して2浪し、同期の医師よりも10年遅れてようやく医師免許を取得しました。
「医師免許を取って、ようやく親の呪縛から離れた」彼は、研修医をせず、大学在学中に創業した医学生の留年・進級支援、医師国家試験対策塾MediE〈メディエ〉を運営し、経営者として医学部の学生を支援しています。
「僕はもともと学校の先生になりたかったし、自分が勉強に困っていたんで、人生のどこかのタイミングで教育に携わりたいと思っていました。そこで、医学部に入ったのに放校してしまったり、中退してしまったりする学生を見てきて、もったいないと思っていたので、その手助けをする塾を作ろうと思いました」
挫折を経て「過去を正解に」
そんな水木さんに浪人して良かったことを聞くと、「今の仕事をやれていること」、頑張った理由については、「親の呪縛でやらなければならないからやっていただけ」と答えてくれました。
「僕は受験勉強をやらなければならないからやっていただけです。でも、東大螢雪会の環境のおかげで、成功体験を積み重ねることができたから、勉強ができるようになれたのだと思います。今、自分はSNSで発信をしていますが、浪人や留年をしたおかげで周囲に『挫折をした人間』だと見ていただけて、サービスを売るためのブランディングがうまくできていると感じます。
人生の転換期で失敗してきた経験があるからこそ、そこから成り上がるのはよりやさしくなると感じています。浪人をしていない世界線を知らないので、していない人生がどうなっていたかはわかりませんが、今の日本には、浪人を正解にする手段はあるよとは思います」
両親の呪縛から離れて、10年遅れで生き生きと自分の人生を送ることができている水木さん。「過去を正解にしていくことが大事なのかなと思います」と語る彼は今後も、自分と同じような境遇の医学生を救っていくのだろうと思いました。

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