参院選"首都決戦"最大の波乱要因、国民民主党から捨てられた山尾志桜里氏が挑む異例ずくめ「ドブ板選挙」の勝算

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内定していた国民民主党からの公認での比例代表への出馬が、土壇場で取り消しとなり、出馬の権利を失いかけた山尾氏。だが、公示直前の7月1日に無所属での出馬を表明。直ちに長年住み続けた吉祥寺の事務所を出発点として、選挙活動をスタートさせた。

公示日の3日午後1時、JR吉祥寺駅前で選挙戦の第一声に臨んだ山尾氏は、演説の冒頭から国民民主党との一連の経緯に言及。集まった数十人の聴衆に対して、まず「吉祥寺での第一声は予想どおりですが、無所属での第一声は予想外だった。(右でも左でもない)中道の政治を諦めることがどうしてもできなかった」と語りかけた。

そのうえで、「2020年の結党時には、リベラルから穏健保守までを包摂していく改革中道政党だと結党メンバーで誓い合ったのに、選挙を前にして右旋回から逃れられないという状況を教えてくれたのが国民民主党だった」と、出馬に至る経緯を説明した。

それを踏まえて「無所属でも中道政治の実現ができるのか何度も自分で問うたが、無所属だからできると決意できたので、ここに立っている。(私のように)皇室や憲法の問題を選挙で正面に掲げる政党はほとんどない。私は皇室と憲法の問題をしっかり訴えていきたい。右も左もとらわれず、ど真ん中の中道にかけるみなさんの思いを、私の選挙で見える化する17日間の戦いにしたい」などと、拳を突き上げながら熱っぽく訴えた。

汗だくで聴衆に分け入り固い握手を交わす

山尾氏の第一声には、約30人の報道陣が駆けつける一方、聴衆は当初、十数人にとどまった。その中で山尾氏は「もし私を無所属で国会にもう一度送っていただいたら、『保育園落ちた』の9年後、2025年の子育て政策を必ず前に進めます!」などと約25分間、よく通る声で訴え続けた。

演説を終えたときは汗だくで、化粧も崩れていた山尾氏だが、すぐさま聴衆に分け入り、「よく来てくれました。ありがとう」「暑い中、ありがとうございます」などと満面の笑みで一人ひとりの手を握りしめ、サインや写真撮影の求めにも快く応じていた。

第一声終了後に記者団の取材に応じた山尾氏は「基礎票がゼロで難しい戦いだが、無所属でしか訴えられない国の政策があり、大事なことを正面からストレートに訴える勝負をしたい」と決意を表明した。

演説の冒頭で国民民主党に触れた理由については、「最近まで国民民主の候補者として事務所を構えていた。地域の方々に、なぜなのかという経過をお伝えしたかった」と説明するにとどめた。

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