ゴミ屋敷問題は「法の力」でどこまで片付くか ペットのフンまで溜め込む隣人…打つ手は?

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また、ご相談者が自宅の土地・建物の所有者である場合、所有権に基づく「妨害の予防」を求める訴えによって、可燃物(カセットボンベ)の撤去を求めることも考えられます。隣家が火災を起こすことによって、土地・建物の所有権が「妨害」されることを予防するための請求です。

悪臭については、単に「臭い」というだけではなく、受忍限度を超える必要がありますし、隣家の「ゴミ」によって危険が及ぶことの証明が必要で、なかなかハードルが高いです。

「ゴミ屋敷問題」の最大の難点

勝訴した場合には、業者に依頼して「ゴミ」を撤去し、その費用を隣家に請求する方法もあります。しかし、「ゴミ屋敷」の所有者の場合、なかなか、お金を払えない可能性もあるでしょう。

現実的な選択肢としては、行政に対応を求めることです。しかし、行政が行うにせよ、「所有権」の問題があります。持ち主に対して、自発的に撤去するよう説得することから始めることになります。

「ゴミ屋敷」問題の難しいところは、法的な手続によって、ゴミが撤去されたとしても、家主の心のケアや生活状況の見直しをしないと、再び繰り返されてしまうところです。民間の福祉団体と市が連携して、家主のケアも含めたゴミの片付けを実施している例もあり、こういった動きが広まることが期待されます。

※ 弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました

藤田 城治(ふじた じょうじ)弁護士
第二東京弁護士会・環境保全委員会、関東弁護士会連合会・環境保全委員会委員。個人・企業を対象とした各種民事・刑事事件を扱っているほか、事務所の弁護士各自が野生動物・自然環境の保護にも取り組み、イリオモテヤマネコ等の保護活動を行っている認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金をサポートしている。
事務所名:森の風法律事務所

 

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