部下からの「それって、ハラスメントですよね」にどう返答する? 「そんなことないよ」とキッパリ言える知識を身につけておくことも必要な訳

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ハラスメント
今は、「何でもハラスメント」の時代です(写真:mapo/PIXTA)
こんにちは。公認心理師・「メンタルアップマネージャ®」の大野萌子です。
上司世代のみなさんは、Z世代とのジェネレーションギャップを感じ、日々悩んでいることでしょう。自分たちが指導されたようなことと、同じように指導しては、時代的にNGです。ではどうやって部下を育てていけばいいのでしょうか。
人間関係を円滑に進めることに関しては、専門分野です。私の著書『〈Z世代との壁〉社員のやる気を失わせる上司の一言』から、上司世代を励ますメッセージを、一部引用・再編集してご紹介していきます。

何でもハラスメントの時代

パワハラ、セクハラ、モラハラという言葉は、職場で起こる3大ハラスメントとして、もうすっかり定着してしまいました。今は、「何でもハラスメント」の時代です。

日常生活やメディアの情報などを見て、「そんなことまでハラスメント!?」と思われることも多いでしょう。

そのせいか、今や「こんなことをしたらハラスメントって言われちゃうかな」とビクビクしているのは上司のほうだったりします。

そもそも、ハラスメントとはどんなことを指すのでしょうか。

たとえば、「毎日のように遅刻してくる部下をみんなの前で叱責した」、これはハラスメントだと思いますか? 「みんなの前で」に引っかかった人も多いと思いますが、通常、これはハラスメントには当たりません。

職場のルールを犯す職員に対して毅然とした態度で接することは、正当な指導であり、管理責任です。適正な指示、命令や注意はハラスメントではないので、毅然と行うことが大切です。ただし、その叱責の中に「おまえはバカだ」「だから何をやってもダメなんだ」など、人格否定の文言が含まれていたり、長時間にわたって拘束・叱責したりすると、ハラスメントに該当する場合があります。

今、企業ではハラスメント研修がさかんに行われていますが、知識だけをつけても職場で生かせなければ意味がありません。

ハラスメント研修を職場で生かす方法は、やはりハラスメントの基準を職場でルール化することなのです。当たり前だと思われるかもしれませんが、それぞれの職場には風土があり、社内で起こりやすいケースも違います。だから、会社の決まりごとをルール化して事前にアナウンスすること、そしてそれを繰り返し繰り返し、伝えていくことがとても大切になってきます。そうすれば「知らなかった」「わからなかった」ということは、確実に減ります。

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