女性部下がイキイキ働く「上司力」の秘密

清水建設もイクボス育成に乗り出した

建設現場の新しい働き方が1人の女性社員の提案から始まろうとしているが、これも真先氏の部下マネジメントによる部分が大きいと人事部ダイバーシティ推進室長の西岡真帆氏は話す。

「入社した頃のその女性社員の働く姿勢は、“会社が何かをしてくれる”という意識が見え、どちらかというと受身的でした。それが“自分の働きかけが次のステップにつながる”と、働く姿勢が変わったのだと思います。提案すれば工事長が実践してくれるという、上司への信頼感も彼女の自発性を促したのではないでしょうか」

あいまいさ嫌う部下には論理的に説明

今年から真先氏の現場ではベトナム人の新人女性技術者が働いている。日本の大学院で土木を専攻し日本語も堪能だ。あいまいな仕事の指示を嫌うため、論理的かつ端的な説明を心掛けている。一人ひとりの部下に合わせてコミュニケーションを工夫し、仕事の与え方を変えるのも、部下育成の秘訣といえる。

「以前は自分で何もかもやろうとして周りが見えなくなったことも。今は周囲の人たちを活躍させるようなマネジメントを心掛けている」と話す真先氏

当初、初めての外国籍の女性部下に対して不安を感じていた真先氏だが、今ではこの社員の働きぶりに安心し、高く評価している。

「思ったことをストレートに表現することもありますが、素直なのでコミュニケーションが取りやすい。性格が明るいので現場の雰囲気づくりにすごく貢献してくれています」

真先氏のマネジメントは参考になる話が多いが、何より取材で感じたのは、仕事に対する真摯な姿勢である。「建設や土木という仕事は世の中のためになる、やりがいのある仕事である」という信念を持ち、その信念を部下だけでなく、協力業者の人たちにも繰り返し話すことで現場の士気を高めている。

どの業界でも同じことがいえるが、現場の仕事は地味な仕事も多く、若い社員の中には“無駄な仕事をやらされている”といった感覚を持ちやすい。「今やっている小さな仕事の積み重ねが、最終的には困っている人を助けることになる。だから無駄な仕事は何もないといった話をするようにしています」と真先氏。そんな上司の姿を見て、部下は育つのだろう。

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