"ペット家族化"の時代でも「ペット可の賃貸物件は不足?」、現状を調べてみた。オーナーが感じるペット可物件の《メリットとデメリット》とは

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犬や猫などのペットを室内で飼っていると、床や壁、柱にキズがついたり、臭いが染みついたり、抜けた毛が排水口を詰まらせたりといったことが起こる。そのため、退去後に大がかりな改修工事が必要になる場合も。

通常の使用で生じる損傷は貸し主負担だが、ペットによる損傷については借り主が負担するのが原則だ。とはいえ、改修工事の期間が長くなると次の入居者が入居できないので、費用面よりもむしろ、その間の賃料が入ってこないことのデメリットが大きいのだろう。

一方で、ペット可物件のほうが賃料を高く設定できたり早期に入居者が見つかったりするといったメリットもある、とのことなので、賃貸オーナーがペット可物件のメリットとデメリットを適切に判断することも必要だろう。

情報サイトで「ペット可物件」を探しやすくしたい

調査結果を公表したLIFULLでは、ペット可物件に関する独自の取り組みもしている。そのプロジェクトのメンバーである、長田英里さんに話を聞いた。

LIFULLには、新規事業提案の制度があり、長田さんはペットの問題について提案をしていた。ただし、課題はわかるものの効果的な解決策が思いつかなった。そこで、ペット、なかでも猫を飼っている社内メンバーが集まって(当初は7人)、解決策を検討するためのアイデアワークショップを行うことになった。これが、本プロジェクトのリーダーとなる大竹美沙子さんとの出会いだ。

ペット可物件の数が少ないので、数を増やすためには不動産会社や賃貸オーナーに対して啓蒙する活動も必要だ。一方、ペット可でも物件によっては犬か猫かの制限があったり、大型犬や多頭飼いは対象外だったりするので、「その物件に問い合わせをしてみないと詳しい条件がわからない=探しにくい」という課題もあった。

以前から同社は、住宅要配慮者(LGBTQ、外国籍、高齢者など)の住宅探しをサポートする「FRIENDLY DOOR(フレンドリードア)」の活動に取り組んでいたが、そのメンバーだった大竹美沙子さんがこのプロジェクトを立ち上げたことで、その知見が生かせるようになった。

まず、課題解決の方向性を「LIFULL HOME'Sの物件検索でペット可物件を探しやすくする」ことに絞った。それが実を結んで、2025年4月より賃貸物件や購入物件の「物件情報」にペットの対応条件が追加されることになった。

具体的には、従来の「ペット可」「ペット不可」「ペット相談可」に加え、「大型犬」「中型犬」「小型犬」「猫」「多頭飼い」の5つの条件を追加した。各物件の詳細情報で「猫可」「小型犬可」などの情報が表示されるほか、「フリーワード検索」や「タグ検索」で、物件を絞り込むことができるようになった。

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