高配当株で損したくないなら知っておきたい「割安シグナル」4つの指標→チャートだけでは足りない!ファンダと心理で掴む《高配当株の底値》
私が企業の割安感を測る際に一つ意識しているのは、相場全体が安くなるタイミングです。相場全体とは、日本株であれば日経平均株価の動きです。相場の全体感を知っておけば、「今が買い時かどうか」を見極めやすくなります。
例えば、2020年に起きたコロナショックでは日経平均株価が大きく下落しました。日経平均株価は日本を代表する企業225社の平均株価です。日経平均株価が下落していれば、日本の多くの企業の株価が下落していると判断できます。コロナショックのような大暴落時は、大型株から小型株まで下落している大バーゲンセールのような状況だと考えられるので、買いの絶好のタイミングです。
ただ、一口に「相場全体の動きで売買タイミングを判断する」といっても、日経平均株価のチャートをただ見るだけでは、いまが全体的に割安なのか、割高なのかを判断するのは難しいと思います。そこで、私が買うタイミングを判断するために使っている指標を紹介していきます。
投資家心理を表すVIX指数
相場動向を測る指数の一つに、「VIX指数」があります。VIXは「Volatility Index」の略で、「恐怖指数」と呼ばれています。VIX指数はアメリカ株を対象にした指数で、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを基に、シカゴ・オプション取引所が算出しています。投資家心理を表しているといわれ、相場が下落すれば数値が高くなる性質があります。
平常のVIX指数は10〜20の間で推移することが多く、20を超えると相場に警戒感が広がりつつあることを示し、30以上で相場参加者が大きな恐怖感を覚えていることを示すとされています。
以下は2020年のコロナショック時のS&P500とVIX指数を表示したチャートです。

コロナショックでS&P500が急落している一方で、VIX指数は急上昇しています。このような状況では、株式相場が急落していると判断できます。VIX指数自体はアメリカ株の動きを表しています。日本株はアメリカ株の影響を受けやすいため、VIX指数も参考になりますが、必ず反映されるとはいえません。
そこで、日経平均版のVIX指数ともいえる「日経平均VI」を活用しましょう。読み方は「日経平均ボラティリティー・インデックス」です。日経VIは日経225オプション価格を基に、日経平均株価が将来1か月間でどれくらい変動しそうなのかを算出した指数です。VIX指数と同じく、日経VIが高いほど、相場は日経平均株価の先行きに対して不安感が強いと考えられます。日経VI指数が大きく上昇したあとは、時間の経過とともに下落していきます。これは相場の不安感が薄まっていることを示します。下の画像は日経平均株価と日経VIを表示させたチャートです。

2020年のコロナショックで日経平均株価が大きく下落している一方で、日経VIは急上昇しています。そして、株価が反発上昇していくにつれて、日経VIも下落しています。2024年8月に日経平均株価が一時的に下落したときも日経VIが上昇し、日経平均株価の上昇とともに下落しています。
上記のチャートのように日経VIは日経平均株価と反比例することが多く、日経VIの動向が相場の状態を判断する材料の一つになります。日経VIが急上昇した場面では日経平均株価が大きく下落しているため、買いのタイミングと判断できます。例えば、日経VIが高止まりし、徐々に落ちていくタイミングで買いを入れていく考え方です。もしくは、過去の暴落時に日経VIがどれくらい上昇したのかを確認し、その水準を目安にしていく考え方も可能です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら