Perfumeライブで全国の観客が称賛「SAGAサンライズパーク」が"佐賀の誇り"になるまで。《開業2年で地価1割上昇》建築家インタビュー

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西村浩さん

SAGAアリーナの前に立つワークヴィジョンズ・西村浩さん(写真:藤本幸一郎)
サンライズタワー
サンライズパークのシンボル「サンライズタワー」。約5万輪の花や佐賀の八賢人、たくさんのカモメ、そして西村さんの指さす先には、キャラクター化した西村さんもこっそり描かれているという(写真:藤本幸一郎)

見上げると国道を跨ぐのは栄光橋だ。夜間には美しくライトアップされるのだという。スタジアムの2階レベルのペデストリアンデッキの下には低層の商業施設が並び、アリーナの周囲には街路樹の下に木造のデッキを敷き詰めたパークテラスがある。

栄光橋
向かいの佐賀市民会館側から国道を跨ぐ栄光橋(ライトアップ時)を下から見上げる(写真:ワークヴィジョンズ)
パークテラス
パークテラスには、スタジアム側ペデストリアンデッキ下に飲食店舗が入居し、国道側に木製デッキを敷いた。サンライズパークを訪れた人々の憩いの空間となっている(写真:Kouji Okamoto)
サンライズパーク
栄光橋から国道越しにSAGAサンライズパークを見たところ。国道沿いには、バス停を設けて、路線バスやシャトルバスの運行に対応する(写真提供:ワークヴィジョンズ)

西村さんによると、徒歩や公共交通利用を促進するため、通常ならば駐車場になりがちな場所に、サンライズパークを訪れた人たちが飲食店で地ビールを飲んだり、デッキでは持参したお弁当を食べたり「住民が日常から楽しめる空間」をつくったのだという。

中心市街地の「街なか指定駐車場」を活用

県は、大規模イベントで一般の利用者が使える駐車場を設けていない。

「歩くライフスタイル」を推進して佐賀駅からの徒歩や、バスでの来場を呼びかけている。

開業から間もなくの新聞報道では「SAGAアリーナ上々だけど駐車場なしに賛否」という見出し記事もあった。

西村さんは「こうした施設では、とかくイベントのある最大利用に合わせた駐車場を備えてしまいます。でもそれだと平時はほぼ使われない広大な駐車場が殺伐とした風景をつくることになる。行政の維持管理コストを押し上げるし、エリアの価値を上げる公共投資という意味でも得策ではない」と語ってくれた。西村さんが描いたまちへの想いにブレはない。

1月のPerfumeのライブ時には中心市街地の「街なか指定駐車場」が無料開放され、利用者には周辺店舗で利用できるクーポンが配布された。

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