Perfumeライブで全国の観客が称賛「SAGAサンライズパーク」が"佐賀の誇り"になるまで。《開業2年で地価1割上昇》建築家インタビュー

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SAGAサンライズパーク(佐賀県佐賀市日の出)は、SAGAアリーナ、SAGAスタ(総合運動場)、SAGAアクア(水泳場)、SAGAプラザ(総合体育館)などからなる総合運動施設で2023年に開業した。

1976年の国体で使用され一部老朽化もみられた佐賀県総合運動場を、2024年の国民スポーツ大会「SAGA2024」のメイン会場として、建て替えや改修によって再整備した総工費500億円超えのビッグプロジェクトだ。

土木出身の建築家がサンライズパーク整備の全体を統括

プロジェクトを統括したのは、設計事務所・ワークヴィジョンズ(東京都品川区)を主宰する建築家の西村浩さんだ。「土木出身である自分が全体調整に関われたのはよかったと思っています」と語る。

「僕は、大学では土木学科出身で建築家に転身しました。このプロジェクトの主体は佐賀県であるものの、東側にある文化会館を持つ佐賀市、国道を管理する県の他部署とも調整が必要になります。

また、敷地内のいくつもの施設整備に複数の設計事務所や施工者が関わっていて、道路や歩道橋も整備対象となっていました。関わる関係者は施設毎の設計者や施工業者、照明計画やサイン計画、施設を彩るアーティストなど数えるのが困難なほどでした」と打ち明ける。

一般的に、アリーナなどの建物については建築士が、道路や橋梁・ランドスケープ設計は土木分野の設計者が分業して行う。

西村さんは、建築と土木の両方の設計経験があるとともに、これまで関わってきたさまざまなプロジェクトの経験も踏まえてそれらを統合する手腕にも長けていた。

SAGAサンライズパーク
SAGAサンライズパークを北側から捉えた鳥瞰写真。SAGAアリーナ、SAGAスタ、SAGAアクア、SAGAプラザ、栄光橋などからなる総合運動施設だ(写真提供:佐賀県)

SAGAアリーナを西村さんご本人に案内してもらったのは、Perfumeライブの前の週。

最寄りの佐賀駅に降り立ち北口を出ると「アリーナまでバスならバスセンター2番のりばへ/サンライズストリートを歩いて15分」と書かれている。

15分と少し遠いがアリーナへ向けて歩いてみる。市道は「サンライズストリート」と名付けられ、歩道は茶系のカラー舗装で視覚障害者用点字ブロックが敷設されている。街路樹は木製のプランターに植えられ、無電柱化されており景観への配慮がうかがえる。

国道34号の直行する高架をくぐると、そこには巨大でメタリックなスチールの多面体が現れる。SAGAアリーナだ。メインアリーナは、固定6300席、可動2100席で8400席。フロアのアリーナ席を含めると10000人規模のスポーツイベントやコンサート会場のほかビジネスイベントにも対応する。

SAGAアリーナ
SAGAアリーナ。佐賀駅から北側に歩くと、巨大なスチールの多面体が現れる(写真:ワークヴィジョンズ)
 
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