日本のワイン市場、底堅い成長が続き、「質」の改善も進む

ワインやスピリッツ(ジン、ラムなど)の大規模な国際見本市、「ヴィネクスポ(VINEXPO)アジア・パシフィック」が5月下旬に香港で開催される。来日した同見本市のドミニク・エリアール・デュブルイユ会長に世界のワイン市場の動向などを聞いた。
--世界経済の成長が力強さを欠くにもかかわらず、ワイン全体の消費は底堅いように思います。
世界的に見ると、ワイン消費は拡大しています。アジア、特に中国での需要増が主因です。ただ、伝統的にワインを好んでいた欧州の国々では消費が減っています。
消費の落ち込みは「生産大国」と位置づけられる国でも顕著です。たとえば、フランスやイタリア。フランスでは1人当たりの消費が減っています。この10年から20年のうちに、半減しました。
世界的に見ても、昼食時にはあまり酒を飲まなくなりました。まったく口にしないケースもあります。一方、祝い事などでワインを飲むケースが増えています。中国では10年ぐらい前からその傾向があります。当初はステータスの象徴として輸入ワインを飲むのが中心でした。今日では皆がテーブルワインを口にするようになりました。
日本の場合、白ワインと赤ワインの消費のバランスが取れているように思います。おいしい白ワインを飲むことができる素敵なすし店もありますよね。
国や地域特有のいわゆるローカルスピリッツの消費も世界中で伸びており、酒類の品ぞろえが増えています。