JR宇都宮線を運休、埼玉で進む「知られざる大工事」 線路切り換え4回、川の拡幅で鉄道橋を架け替え
工事は、まず従来の橋梁の隣に仮設の橋を架け、こちらを通る「仮線」に線路を切り換えたうえで従来の橋梁を撤去。その場所に新しい橋梁を架けて、今度は仮線から新しい橋梁を通る本来の線路に再び切り換えるという手順だ。線路の切り換えは下り線・上り線それぞれ1線ずつ行うため、計4回必要となる。
第1回の線路切り換え工事は2024年4月28日夜から29日朝にかけて実施し、まず下り線を仮線に切り換えた。約1年後、今年の5月4日夜から5日朝にかけて行った2回目の工事では上り線を切り換えた。
この時期に工事をするのは理由がある。「河川区域内は、出水期と渇水期の時期があり工事制限があること、また気温の高い時期にレールを破線(切断して作業)できないことなどさまざまな条件を考慮している」(JR東日本大宮支社)ためだ。

夜間の工事で「仮線」に切り換え
今回の切り換え工事の範囲は、橋梁を挟んで東鷲宮(東京)側の「八甫踏切」付近から、栗橋(宇都宮)側の「水沢踏切」付近までの約2.1km(2130m)。仮線の橋梁は1回目の下り線切り換え工事に先立つ2023年3月までに上り・下り線の両方を設置済みだ。

工事当夜は、仮線の両端に当たる部分で従来の橋梁につながる線路を切断し、横に移動して仮線に接続。線路の工事には約230人が従事し、東鷲宮側では約65m、栗橋側では約150mにわたって線路をスライドさせ、仮線へとつないだ。
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