「強い職場」に共通する30代の活かし方[第2回]--ほったらかし、貧乏クジ、氷河期……だからこそ、30代は希望の星
30代に今、広がる“ぶら下がる”という生き方
昇進・昇格(上)を目指すわけでもなく、転職(横)をするわけでもない。ただ、どうすればいいのかわからないのである。組織の理不尽さは十分に感じてきている。だからこそ、今さら、正論やあるべき論を語ろうともしない。
熱くなっても、傷つくのは自分だと思っている。自らが「変わろう」としないばかりか、そのようなあきらめ感により、「変わろう」と声をかける人に対しても、「無駄だからやめておけ」という思考に陥る。
行き先がわからないから立ち止まっていると言ってもいい。変化をすることが自分にとってリスクであると感じているのだ。そして、変化を嫌う「現状維持型」の人材になっていく。「現状維持型」であれば、自分の意思で動くことによって失敗することもないし、また、無理だったと余計なあきらめ感を抱くこともなくなる。人に言われたとおりに、言われたことだけをこなすことで、自分が傷つくというリスクを回避することができるのだ。
本当はおかしいのではないかと思っていても黙っている。本当は「こうしたい」という思いがあっても黙っている。そうするとしだいに、自ら考えても行動しない人になっていくのだ。
これが、“ぶら下がる”という生き方である。
しかし、当の本人たちにとっては、“ぶら下がる”という生き方が、この時代において、最も合理的な生き方なのだ。