フジテレビが《最もクリーンなメディア》になる? 「楽しくなければテレビじゃない」脱却宣言と「アナウンス室の独立」が示す“苦しすぎる事情”

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会見で清水社長は、「『一切の聖域を残さず、悪しき慣習や文化を一掃する』という強い覚悟と決意のもとに本日の改革案を練り上げてきました」「私たちは『この改善策を通じてフジテレビが新たに生まれ変わる』ことをここにお約束いたします」と宣言。

親会社の金光社長も、「1人の権力が長く滞留することに関しては制度として制限しておくべきだと。それを私の代で導入したほうがいい」と語り、6月の株主総会での退任を明かしました。

「最もクリーンなメディア」になれるか

さらに今回公開された書面の表紙には、「フジテレビの再生・改革に向けた8つの具体的強化策及び進捗状況」というタイトルに続いて、「第三者委員会の調査報告書を受けて 組織としての反省と再生への誓い」というサブタイトルが添えられていたことも含め、これまで以上の覚悟を感じさせます。

フジテレビ
フジテレビの覚悟をうかがわせるサブタイトル(写真:同社公式サイトより)

もちろん、これらがしっかり実行されているのか、継続したチェックが必要でしょう。フジテレビは実施状況を7月2日までに報告する方針を明かしていますが、その後も毎月チェック・報告を行うなどの徹底が求められそうです。

もしこれらが実行できたら、フジテレビは他局の先をゆくクリーンなテレビ局になるでしょう。それどころか出版社、新聞社、ウェブ媒体なども含めて、最もクリーンなメディアと言っていいかもしれません。

そのうえでどのように「楽しさ」や「笑い」を織り交ぜていくのか。「中堅若手社員も安心して自由な意見を発信できる環境を整える」と掲げているだけに、彼らの頑張りとバランス感覚が「楽しさ」や「笑い」を取り戻すことにつながっていくのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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