“暴れ馬”パルコの行方、J.フロントがグループ化

これに対し、パルコの平野秀一社長(当時)は「ブランド価値を希薄化させる」と反発。一時は株主総会での委任状争奪戦へ突入しかねない状況に陥った。結果的に平野社長を退任に追い込み、業務検討委員会で今後の連携を協議することで合意。イオンが押し切ったかに見えた。

だが、その後の提携交渉の過程で、先に白旗を揚げたのはイオンだった。

同社は今年1月、森トラストからパルコ株21%を買い取ることで内々に合意。2月1日の経営委員会で決議を予定していた。だが、前日にパルコへ打診したところ、経営陣はもちろん、テナント企業からも反対意見が噴出。買い増しを断念せざるをえなかった。半年ほど前から月1回行ってきた業務提携の協議も具体的成果に乏しく、両者の溝が埋まることはなかった。

他方、J.フロントとパルコは、共同販促を行うなど良好な関係にある。が、現場主導の自由な店づくりがパルコの持ち味。J.フロントが得意の管理手法を押し付ければ、反発を招くおそれもある。

パルコを手なずけるには、株の買い増しが避けて通れない。それに対し、イオンがどんな動きを見せるのか。状況はなお予断を許さない。

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(猪澤顕明、桑原幸作 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年3月10日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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