
「東京に来たら、まずKK線に行ってみよう。国内外の皆様方がそう考える、また世界から注目される観光の拠点といたしまして、みんなで(KK線を)盛り上げてまいりましょう」
小池百合子東京都知事は4月18日、銀座を取り囲むように走る全長約2kmの自動車専用道路だった「KK線」の真ん中で、地元関係者や報道陣に挨拶した。
道路上には、パレードランを終えたマツダ「コスモスポーツ」、スバル「360」、トヨタ「2000GT」、日産「スカイライン(ケンメリ)」など、日本の歴史を象徴する名車が並ぶ。

これらのクルマは、個人所有車やメーカー各社の旧車保管庫からやってきたもので、旧車ファンとして知られるロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが自ら運転してきた愛車トヨタ「MR-2」の姿もあった。
KK線は、今年4月5日午後8時をもって、自動車専用道路としての役目を終えている。今後は、歩行者中心の公共的な空間「Tokyo Sky Corridor(東京スカイコリドー)」として再生される計画だ。
そうしたKK線の変化を国内外に示すため行われたのが、今回の「KK線リボーンセレモニー」である。
無料の高速「KK線」の特異性
KK線は、1959年に「土橋〜城辺橋」間を一方通行で運用開始した。運営するのは、東京高速道路株式会社であり、株式会社の略称「KK」をとってKK線と呼ばれてきた。
首都高速道路公団が設立されたのは、同じく1959年で、1964年に蓬莱橋と首都高速羽田方面との連絡併用を開始。また、1966年に新京橋で首都高速道路と接続している。

1962年生まれの筆者は、開通直後の1960年代から幾度となくKK線を走ってきた。幼少期は家族と一緒に銀座に出かける際、横羽線から浜崎橋IC(インターチェンジ)を通り、その後にKK線の乗継料金所を通る。
高速道路なのに一定の時間内に通過すれば無料であることが、子ども心にとても不思議だったが、両親からは「この下にあるお店のレンタル料で通行料が賄われている」と聞いていた。
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