エヌビディアも手がける「フィジカルAI」の現在地。工場・家庭向け人型ロボット、実現間近の自動運転

ノルウェーの1Xテクノロジーズは、掃除や荷物運搬といった日常的な家事の手助けを想定した家庭用の人型ロボット「NEO Gamma」を開発している。あまりに自然な動きに、ロボットの中に人が入っているのでは?と疑われたほどだ。同社には米オープンAIも出資しており、AI技術で連携している。25年中に家庭内に試験的に導入され、27年までに10万台を量産する計画を立てる。
BMWの工場で試験運用
一方、米フィギュアは、製造業など産業用の人型ロボット「Figure 02」を開発し、すでに独BMWの工場現場で試験運用が始まっている。2体の人型ロボットが相互連携しながら作業をこなすデモも話題になった。オープンAIとの提携を解消し、オープンソースのLLM(大規模言語モデル)を使って独自のAI技術を開発している。24年2月には26億ドル(約3800億円)の評価額だったのが、25年に入って400億ドル(約5.8兆円)に急騰したといわれ、期待の大きさを物語る。

中国勢の躍進も目覚ましい。ユニツリー・ロボティクスの人型ロボットは小型かつ軽量で、「G1」モデルは価格が1.6万ドル(約230万円)と他社に比べて半額以下の手頃な水準だ。柔軟な動きを得意とし、走ったりダンスをしたりする軽妙な動きを特徴とする。
大手テック企業では、米メタが近年スマートフォンの次のデバイスとして期待される眼鏡型デバイスの開発に力を入れているが、ここに来て人型ロボットへの大型投資を計画中とされる。眼鏡型デバイスから得られる物理空間のデータが人型ロボットの視覚機能の向上に寄与するといわれており、一層の注目が集まる。
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