「父親の無関心、母親の情報力、祖父母の財力」がカギ、”ごく一握りの勝者と大量の敗者”を生み出す≪韓国の激烈な学歴社会≫の弊害とは?
それでも、もがく学生もいる。知人は「みな、元々やる気がなかったわけではない。ソウルの難関大を目指して必死に勉強してきた子ばかりだ」と語る。願いが叶わず、やむを得ず、地方の大学に入学する子がほとんどだという。知人はあるとき、教え子の4年生から就職の相談を受けた。
この男子学生は思い詰めた表情でこう語った。「中国にある韓国大使館のローカルスタッフになりたいと思うのですが、どうでしょうか」。地方大からはキャリア外交官はおろか、特定の国や地域を担当する専門職の外交官になる可能性もほぼ閉ざされている。男子学生は、大使館職員の秘書や運転手などを務めるローカルスタッフなら、自分でもなれるのではないかと考えたという。
外国で就職しなさい
知人は「ローカルスタッフは、一生をかけて働く仕事ではない。昇進もないし、自分で考えて工夫できる仕事でもない」と説明し、学生に思いとどまるよう諭したという。そのうえで、知人は学生にこう勧めた。
「敗者復活のない世界から抜け出すためには、韓国のシステムから離れるしかない。外国で就職しなさい。学歴に関係なく、語学や営業力などで評価してくれるはずだ」。知人の助言を、この男子学生は、憂いを含んだ複雑な表情で聞いていたという。
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