戦後、駅スタンプの大ブームが起きたのは、1970年に開催された大阪万博の翌年のこと。当時の国鉄が始めた「DISCOVER JAPAN」という一大観光キャンペーンに合わせて、全国の駅で統一したデザインのスタンプが設置されたことによる。
国鉄では、その後も「1枚のきっぷから」とか「いい日旅立ち」といった観光キャンペーンに合わせてデザインを変えながらスタンプを設置し続け、JRへの分割民営化後も続いて今に至っている。
それを集めるスタンプ帳も継続的に書店やKIOSKなどで販売されており、JTBの時刻表が販売されて100周年を迎えた今年4月には、それを記念した鉄道スタンプ帳が、時刻表の出版元であるJTBパブリッシングから発売されている。「乗り鉄」ならぬ「押し鉄」の応援グッズといえるかもしれない。
またJRだけでなく、私鉄各社(特に首都圏)で「スタンプラリー」を展開するケースも目立つ。夏休みなど、子どもが休暇に入る時期に特定の駅群を選んで統一したテーマを設定し、スタンプの一部、あるいは全部を集めると賞品がもらえる、というイベントだ。

この原稿を書いている今は、4月18日から名探偵コナンの新作映画『名探偵コナン 隻眼の残像』の上映が始まったのに合わせ、JR東日本が「劇場版最新作公開記念!名探偵コナンスタンプラリー」を6月下旬までの3カ月にわたって行っている。
東京、新宿、大宮など、東京都内と近郊の27駅に加えて、長野駅にもスタンプを設置。長野駅は、首都圏の子どものお小遣いでは行けない遠さであり、JRの増収策につなげようとする意図も透けて見える。
また、4月13日から始まった大阪・関西万博でも、会場の出入口や各パビリオンなどにスタンプが用意され、万博専用のスタンプ帳(「公式パスポート帳」税込1100円)も現地には用意されている。
SA/PAでは専用のスタンプ帳も販売
話を高速道路に戻そう。スタンプは、もちろんどんな用紙に押してもよいが、手元に用紙のない人のためにスタンプ用紙が置かれているところも多い。また、高速道路の方もNEXCO3社がそれぞれ専用のスタンプ帳を有料で用意していて、案内所などで購入できる。
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