「緩やかなインフレ局面」でも【投資の神様】ウォーレン・バフェットが日本株を買い控えた"不吉"

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我々がフォローしている米国の15本の主要ミューチュアルファンドの2024年末の日本株比重は、ベンチマークより平均24%アンダーウエイトしていました。

世界株価指数であるMSCI ACWI(All Country World Index の略で、いわゆる「オルカン」)における日本株比重は約5%に過ぎないうえ、MSCI ACWI指数から日本株は四半期ごとに10銘柄程度削除されているので(2025年2月末の日本株の組入銘柄数は183)、MSCI ACWI指数をベンチマークにする外国人投資家の日本株投資のインセンティブが低下しています(図表1-3参照)。

(出所:『アクティビストが日本株市場を大きく動かす 外国人投資家の思考法と儲け方』より)

トヨタ自動車ですらS&P500銘柄の時価総額は24位

アクティビストが日本株市場を大きく動かす 外国人投資家の思考法と儲け方
『アクティビストが日本株市場を大きく動かす 外国人投資家の思考法と儲け方』(日本実業出版社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

2024年末時点で、米国株では時価総額が1000億ドルを超えている銘柄が92社あった一方、日本株で時価総額が1000億ドルを超える銘柄はトヨタ自動車、三菱UFJFG、ソニーグループ、リクルートHD、日立製作所、ファーストリテイリング、キーエンスの7社しかありません。

日本株で時価総額最大のトヨタ自動車もS&P500銘柄のなかに入れると、時価総額24位に過ぎません。そうした結果、MSCI ACWIをベンチマークとするファンドの上位組入で見かけることがある日本株はトヨタ自動車、日立製作所、ソニーグループ、キーエンス、リクルートHDなどです。

一方、米国株以外の株式を投資対象とするインターナショナル株ファンドやMSCIのEAFE(Europe、Australia、Far East)やMSCI ACWI ex. USA指数をベンチマークとするファンドでは日本株比重が15~23%あるので、もう少し時価総額が小さい日本株も投資対象にすることがあります。

また、本数は少ないですが、海外の中小型株を対象にするファンドだと、日本株は中小型銘柄数が多いので、多く組み入れられます。

菊地 正俊 みずほ証券エクイティ調査部チーフ株式ストラテジスト

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くきち まさとし / Masatoshi Kikuchi

1986年東京大学農学部卒業後、大和証券入社、大和総研、2000年にメリルリンチ日本証券を経て、2012年より現職。1991年米国コーネル大学よりMBA。日本証券アナリスト協会検定会員、CFA協会認定証券アナリスト。日経ヴェリタス・ストラテジストランキング2017~2020年1位、2023年2位。インスティチューショナル・インベスター誌ストラテジストランキング2023年1位。『日本株を動かす外国人投資家の思考法と投資戦略』『米国株投資の儲け方と発想法』『相場を大きく動かす「株価指数」の読み方・儲け方』(以上、日本実業出版社)など著書多数。

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