「緩やかなインフレ局面」でも【投資の神様】ウォーレン・バフェットが日本株を買い控えた"不吉"
逆に、外国人投資家の売り越し額が多いのは9月です。
9月は2008年にリーマンショックが起きるなど、米国株が12カ月のうちでパフォーマンスが悪い月なので、米国株が下落すると、外国人投資家は日本株を売り越す傾向があります(図表1-2参照)。

外国人投資家の売買動向に影響を与えるバフェット氏
2023年4月にバークシャー・ハサウェイ社の「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が来日し、大手商社5社の保有比率を各社7.4%に引き上げたと語ったことで、大手商社株は揃って上昇しました。
バフェット氏がこのときに面談したことが明らかになっている企業経営者は、伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOだけでした。
バフェット氏は「日本が米国以外の最大の投資先だ」と述べました。大手商社5社は合計でバークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオの5%弱を占めました。
バフェット氏は「日本株で現状保有しているのは商社株だけだ。考えている会社は常に数社あるが問題は価格だ。もし商社株が2倍だったら、我々は投資しなかっただろう」、「他の日本企業への投資は10年後、20年後とうまく続いていくようなビジネスや人を求めている。明らかに私の理解を超えるものでない限り、日本のあらゆる大企業に目を向ける」と語りました。
当時のバークシャーの株式ポートフォリオのトップ3保有銘柄はアップル、バンクオブアメリカ、シェブロンでした。化石燃料株への投資拡大への批判に対して、バフェット氏は、世界経済はまだ石油を必要としており、石油会社は持続可能な未来の観点から様々な努力をしていると擁護しました。
バフェット氏による日本株買い増しが明らかになった後、2023年4~6月に外国人投資家は約6兆円の日本株を買い越したので、バフェット氏の日本株投資は、他の外国人投資家の追随買いを誘ったといえます。
バークシャー・ハサウェイ社は米国では時価総額1兆円未満の企業にも投資していますが、外国株に投資するなら、時価総額1兆円以上は必要でしょう。そうすると、日本株で投資対象になるのは2024年末時点で180社弱しかありません。
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